麦栽培で地元の農協から表彰された専業農家
この人
妹尾(せのお)昇さん(85)(岡山市南区在住)
塩害に負けず麦づくり60年
いま、岡山県南部地域では、麦の刈り入れのまっ最中です。いつもは5月末から6月初めに刈り入れますが、今年は天候不順で10日程度遅くなっています。
岡山市南区で農業を営む妹尾昇さん(85)は、米と麦の専業農家です。「麦づくりは麦踏みと排水が大切」と語る妹尾さんは、田んぼに元肥として硫安を入れ、麦踏みを年内に4回、年明けに2、3回行っています。
しかし、ここにいたるまでにはたいへんな苦労がありました。戦後、児島湾の干拓地に入植し、いろいろなものを栽培しましたが、どれも塩害で収穫できませんでした。そこで、田んぼに石炭ガラ(コークス)を入れ、土管を埋めて排水をよくして、やっと米と麦を栽培できるようになりました。
いまでは、麦を1反から12俵(600キログラム)も収穫しており、昨年はJA岡山から表彰されました。
(岡山県農民連 秦明美)
(新聞「農民」2010.7.12付)
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