「農民」記事データベース20100712-932-07

素材を生かす
旬のレシピ

日本料理店「一福」
吉松和彦


冬瓜(とうがん)

 冬瓜は夏の代表的な野菜。日本料理では皮をむき緑の部分を少し残した煮物が一般的ですが、家庭料理では手間がかかるので、皮をしっかりむいた3品を紹介します。

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《旨煮(うまに)》

 適当な大きさにカットして皮をむきます。水からゆで、透明感が出たら水にさらします。豚肉や牛肉、鶏肉など好みの肉を食べやすい大きさにカットしていためます。余分な脂(あぶら)はキッチンペーパーでふき取り、火が通ったら砂糖、酒(または水)を入れ、煮詰まってからしょう油を入れて甘辛い味に整えます。そこへ冬瓜を入れ、よく煮汁をからめ煮詰まったらおろしショウガを入れてできあがりです(冬瓜はからだを冷やす食べものなので、ショウガを入れて中和します)。

《冷やし汁》

 赤だしのみそ汁を作ります。だし汁はイリコ系(煮干しなど)がよく合います。お好みで鰹(かつお)だしでもかまいません。だし汁にみそを溶かします。ゆでた冬瓜を入れるので、少し濃い目にします。冬瓜を入れ温まったら火をとめ、冷めてから冷蔵庫でよく冷やします。器に盛ったらカラシを乗せてできあがりです。きざみオクラやジュンサイなどを入れてもいいです。

《おでん》

 ゆでた冬瓜、さつまあげなどの種物、こんにゃく、うずらの卵(缶詰)などでおでんをつくります。鰹だしのお吸い物より、少し濃い味のだし汁を作ります。あまりしょう油を入れないほうが夏向きのおでんになります。だし汁に種物、こんにゃく、うずらを入れ、温めます。冬瓜はすでにゆでてあるので、火を止める直前に入れます。アクや余分な油をすくってできあがりです。夏に熱いおでんもなかなかです。冷やしおでんもいけますし、具が少なくなったら、うどんを入れてもおいしいです。

(新聞「農民」2010.7.12付)
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2010年7月

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