「農民」記事データベース20100705-931-05

参院選

都市農業振興
政党の態度は…

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 都市農業は、都市住民にとっても、近郊農家にとっても、新鮮な食料・農産物を消費者の食卓に届けるうえで大切な役割を担っています。憩いの場の確保や防災機能などの多面的な機能をもっています。今度の参議院選挙では、都市農業の振興についても、各党の姿勢が問われています。

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 自民党
 農地をじゃまもの扱い―減少の一途

 自民党農政のもと、農業収入の何倍もする固定資産税や「3回相続すると農地がなくなる」といわれるほど高い相続税で、多くの農地が開発のために、転用を強いられてきました。大企業のためには「都市に農地はいらない」とじゃまもの扱いにしてきた結果、都市農地は減少の一途をたどってきたのです。

 こうしたなかで、人口急増と急激な都市化を前提とした現行の都市計画法を見直そうという動きがでてきました。国土交通省の社会資本整備審議会都市計画部会は2009年6月、開発の対象とされてきた市街化区域内農地の位置づけを180度転換し、「都市農地を農業生産と多面的機能の面から、積極的に位置づけるべき」だという考えを示しました。

 民主党
 菅首相は宅地並み課税創設の立役者

 ところが民主党政権になって以降、都市計画制度の見直し作業は中断したままです。

 民主党政権はさらに農業用地の取得税の軽減措置、一般と畜場の衛生施設、地方卸売市場の家屋などの固定資産税・都市計画税の減免措置を廃止しようとしています。

 民主党の菅直人首相は、「市民運動のリーダー」などともてはやされていますが、1971年に「より良い住まいを求める市民の会」なるものを結成。市街化区域の農地に宅地並み課税を求める運動に取り組んできました。こうして不動産業界など財界や自民党の支持を受けて72年に「宅地並み課税制度」が作られ、都市農民から農地を取り上げ、都市住民から緑を奪い、都市農業をつぶす役割を果たしました。

 共産党
 都市農業を守るため「振興法」制定めざす

 日本共産党は、農地と農業を都市づくりの重要な柱と位置づけ、都市農地を守るため、農地の固定資産税は農地課税に、相続税の評価は農業投資価格を基本にして、宅地並み課税を廃止し、「都市農業振興法」(仮称)の制定をめざすという政策を発表しています。当面、生産緑地の要件を緩和し、相続税納税猶予の制度を維持しつつ、市民農園や屋敷林などにも適用するとしています。

 農業収入が保障され後継者がやりがいのもてる農政をぜひ

  田中仁司さん(61)(東京都町田市)
画像 トマト、キュウリ、ピーマン、シシトウ、タマネギなどの収穫に忙しい毎日です。消費者の方にも、農地に来てもらって交流しています。みなさんにじかに話が聞けるのがいいですね。

 都市に農地があることで、防災やレクリエーションなどの機能のほか、都市住民に食べ物や農業の大切さをアピールできます。

 段ボールなどの出費のほか、固定資産税や相続税の負担が重いうえ、さらに消費税が10%になれば、ますます苦しくなります。とくに食料品や日用品などには絶対にかけてほしくないと思います。

 農業収入が保障されないと、農家のなり手がいません。若い人が希望をもって農業に携わるためにも、後継者がやりがいのもてる農政の確立が求められます。

(新聞「農民」2010.7.5付)
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2010年7月

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