「農民」記事データベース20100705-931-03

農政転換へ“農民一揆だ!”

秋田県農民集会 怒り発言次々

関連/民主党政権の「事業仕分け」 田んぼの生き物調査“廃止”


トラクター、軽トラ連ねデモ

 秋田県農民連と厚生連労働組合でつくる秋田県米価対策共闘会議は6月22日、秋田市内で「怒りの秋田県農民集会」を開き、県内から約100人の農民が集まりました。

 「これだけは言いたい」コーナーでは、「7カ月連続で米価が下落している。ミニマムアクセス米はきっちり外国から買うのに、備蓄米はいっこうに買おうとしない。出来秋まで模様ながめとは、政府はなにやってるんだ!」「米モデル事業は生産費を補償せず、大手流通業者が交付金の分を買いたたく。これでは米づくりはもうできないぞ!」「EPA・FTA推進では、日本から農業がなくなる。やめてくれ!」など、怒りを込めた発言が相次ぎました。

 そして、参議院選挙で農政の転換をはかるため、農民一揆で全力でたたかおうと「特別決議」をあげ、日本共産党から参院選比例区に立候補する佐藤長右衛門さん(県連委員長)が、「農民の代表として全力をあげて選挙をたたかいぬく」と決意を述べました。

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中央が佐藤長右衛門さん

 集会のあと、トラクター4台、軽トラック12台を先頭に、市内をデモ行進。迫力十分で、道行く人から大きな声援がかけられました。

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ムシロ旗を掲げてトラクターが行く

 その後の農業団体への要請では、以前とようすが変わり、集会に木村一男会長名でメッセージを寄せたJA県中央会では、佐藤実常務が対応。40万トンの過剰米買い入れや生産費を下支えする価格保障・所得補償などを要請すると、「考え方は同じだ」と意見が一致。今後も一致点でともに活動していくことを確認しました。

(秋田県農民連 猪股義補)


民主党政権の「事業仕分け」
田んぼの生き物調査“廃止”

仮設型直売システム普及支援なども 農業無理解くっきり

 民主党政権の下で設置された行政刷新会議の「事業仕分け」で、農業・食料関連の事業に対し、軒並み「縮減・廃止」の評価が下されています。その理由も、「経費節減」だけが先走り、農業の現場に密着した事業や食の安全・安心に資する事業が、国民の声を聞かずに削られています。その中身をみると…

 田んぼやその周りの生態系を把握し、田んぼが果たしている多面的な機能を理解する「田んぼの生き物調査」。社団法人農村環境整備センターが行う同調査が「廃止」とされました。ただし「目的・内容・実施主体を整理したうえで実施を検討」としています。

 同センターが行う「田んぼの生き物調査」は、約600団体、5000人が参加(2009年度)。民間団体が行うものも含めて全国各地で取り組まれ、市民が直接、田んぼに接し、稲作農業への理解を深めるうえで大きな役割を果たしています。

 今年10月に生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋市で開かれ、日本の生物多様性への取り組みが国際的にも大きな注目を集めるなか、あえて「廃止」という結論を出す必要があるのでしょうか。

 同様に農業生産地球温暖化総合対策、有機農業総合支援対策、農業生産環境対策の各事業も「廃止」。大都市に青空市場を設け、生産者と消費者との交流を促す仮設型直売システム普及支援事業「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」も「民業圧迫」「国があえてやる必要はない」という理由で「廃止」になりました。

 国民の農業への理解、食料自給率の向上、農業後継者の育成などに冷たい民主党政権の姿勢がよく現れています。

(新聞「農民」2010.7.5付)
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2010年7月

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