「農民」記事データベース20100607-927-04

ドラッグストアの不当な返品56%

全米販が取引実態調査

不当値引き・買いたたき
大手スーパーが上位


 全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)はこのほど、組合員卸売業者193社を対象に実施した小売業者との「取引実態調査」(2009年度)の集計結果をまとめ、公表しました。

 調査について、全米販経営相談室の木下誠室長は「円滑な米流通のためには、透明性・公正性・合理性のある取引が必要ですが、現実には、取引先のパワーを前に、多くの組合員卸が不公正と思われる取引を受け入れざるをえない状況に置かれています。全米販として、組合員の取引の実態を把握する必要から調査を実施しています」と説明します。調査は毎年1回実施され、今年で4回目になります。

 調査は10項目に及び、「不当な返品の有無」については、昨年よりも増加したとする卸の割合が増え、なかでも割合が最も高かったのがドラッグストアで55・8%、次いでホームセンター51・3%、中小スーパー42・3%、大手スーパー39%などと続きます。

 「不当な値引きと思われる取引の有無」については、「存在する」との回答は全体で12・2%。大手スーパーの21・2%が最多で、以下ドラッグストア20・4%、ホームセンター15・8%、中小スーパー14・9%と続きます。

 不当な値引きと思われる取引の具体的内容について、販売先小売りでは、「他店と価格を比較しての値引き要求」の割合が最も高く(5・3%)、なかでも大手スーパーが10・8%です。

 また「特売商品等の買いたたき」の有無については昨年より若干増加し、その具体的内容は「新店オープン等で著しく低い納入価格を要求」が最も高くなりました。「買いたたきがある」と答えた卸の割合が最も高かったのが大手スーパーで23・7%、次いで中小スーパー21・6%、ドラッグストア18・3%、ホームセンター16・2%などと続いています。

 関係団体に結果伝え是正求める

 木下室長は「公正取引委員会、農水省、経済産業省などの行政のほか、日本チェーンストア協会等の関係団体にも、調査の結果を伝え、是正を求めています。4回の調査で、買いたたきが若干減るなど、改善点もみられます。また改善された理由も新たに示し、卸と小売り双方の認識を共有しています」と、取り組みの成果を語ります。

 さらに全米販は、同様な問題を抱える他の業界との連携を進めています。全米販をはじめ、各中小企業団体で構成する全国中小企業団体中央会は4月28日、1回目の「公正取引推進研究会」を開き、今後、情報交換と不公正取引の是正活動を強化することを確認しました。

(新聞「農民」2010.6.7付)
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2010年6月

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