旬の味
いま、宮崎県では口(こう)蹄(てい)疫(えき)が爆発的に広がっている。これまでに13万頭以上の牛や豚が殺処分されるということだが、さらに新たな措置として、半径10キロ圏内の元気な牛や豚も含めすべて殺処分するという▼いままで必死になって感染を防いできた地域でも対象になる。「たまらん。牛を返してほしい」「40数年続けてきたことが一瞬でなくなる。情けない」「国は何をしてきたのか」―農家のしぼり出すような声。悔しさと怒りの思いはいかばかりか▼政府は「農家には補償する」と言っているようだが中身は不透明で、関係首長から同意さえ得られない事態になっている。鳩山首相は「これで廃業だ」という農家に、「がんばれ」となぜ言えないのか。再建の道すじをつくるうえでも、埋却費用も含めて口蹄疫発生以前の評価で全額補償を行うべきだ▼口蹄疫が広がる中で、赤松農相は中南米を外遊していたそうだ。「何も問題はない」と開き直る前に、悔し涙を流す農家の手を握って励ますことはできないのか。 (文)
(新聞「農民」2010.5.31付)
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[2010年5月]
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