旬の味
今年初めてタケノコを食べた。シャキシャキ感の中にわずかのえぐみがあり、春の息吹が体の中に入ってくる。子どものころはいやというほど食卓にのぼったが、ちかごろは高級食材になった▼そのわけは、まだ土の中にあるタケノコをイノシシやシカが掘ってしまうからだ。竹やぶも山も穴だらけにして皮だけ残し、きれいに食べてしまう。彼らが食べ飽きたころ、やっと人間に分け前が回ってくるというわけだ。竹やぶに電気柵(さく)を設置する農家まで現われた▼最近、タケノコに代わって出てきたのが「新党」だ。いま、舛添(ますぞえ)新党(党名は「新党改革」)結成のニュースで騒がしい。「みんなの党」に「たちあがれ日本」そして「日本創新党」と、覚える間もない。「雨後のタケノコ」とはこのことか▼民主党政権に対する国民の失望感が急速に広がっているからだろう。かといって自民党に戻るのもごめんだ。結成があいついでいる新党だが、肝心の政策で違いを探すのは難しい。賢いシカたちは見向きもしないだろう。 (安)
(新聞「農民」2010.5.3付)
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[2010年5月]
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