「農民」記事データベース20100426-922-09

旬の味


 農民連会員の大豆でしょう油を製造する「きんまる星醤油」(埼玉県熊谷市)を訪ね、ほのかにしょう油の香りが漂う施設内で製造工程の説明を受けた▼一般には、大豆を圧搾し小麦と塩とこうじを混ぜたあと発酵させてしょう油を作る。「きんまる星」さんでは、しょう油酵母を古めかしい大きな木の樽(たる)のなかで一年間じっくりと熟成させる。しょう油をしぼったり布からカスを除くのは手作業だ。極力添加物に頼らず、愛情込めた昔ながらのしょう油づくりにこだわり続けている▼「昔はどこでもこのような製法だった。しかし生産効率が優先され、多くは遺伝子組み換え大豆の搾りカスが原料。添加物を使えば簡単なのはわかっているが、安心・安全な国産しょう油にこだわり、本物の味覚を将来の子どもたちに伝えていきたい」と社長は語ってくれた▼手間暇かけて作られるしょう油は、刺し身や肉料理などの味わいを深くさせる。まさに、陰で主役を際立たせる黒子の役割で、私たちを堪能させてくれる。

(山)

(新聞「農民」2010.4.26付)
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2010年4月

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