田んぼを復田し米づくり“みんなの再生田”千葉・船橋農産物供給センターと東都生協
今年は面積広げ“2号”に挑戦減反で荒れた田んぼを復田して田んぼづくりから米づくりをしようと、千葉県農民連・船橋農産物供給センター(飯島幸三郎代表)が東都生活協同組合(本部・東京都世田谷区、組合員数22万3000人)の組合員を中心とする消費者と昨年から始めた「みんなの再生田」。今年も千葉県印西市の菊地謙治さん(61)の田んぼを耕しますが、2年目は面積を拡大して「再生田2号」にも挑戦します。しかも、理学博士でビオトープアドバイザー(管理士)の資格を持つ是永博さん(60)の指導を受けながら、自然とのかかわりについても学ぶ「田んぼの学校」の企画も。将来的には、「再生田」で消費者自身による自家栽培をめざします。 「再生田」の作業は、3月の雑草退治、4月の種まきと代(しろ)掻(か)き、5月の田植え、6月の草取り、9月の稲刈り、そして10月30日の収穫祭まで12回組まれています。 1回目となった2月28日には、雪もちらつく悪天候の中、東都生協から子どもたちも含めて41人、船橋農産物供給センターからの参加者や生産者をあわせると69人が参加し、おとなの背丈を越える藪(やぶ)におおわれた原野のような休耕田で雑草退治を行いました。 3回目の3月27日には、雑草を積み上げて野焼きをしました。また田んぼのあぜでヨモギを摘み、昼食時にはもちつきをして参加者にヨモギもちが振る舞われました。
「荒れた田んぼがきれいになってまた稲穂がなびく姿を見られることは、生産者にとってもうれしいこと」と言う飯島さん。「今年は田んぼが2枚になってたいへんだが、農作業を通じて、田んぼが持っている生態系の多様性や保全の機能も知ってもらい、自然保護の活動にもつなげていきたい」と、生産者と消費者のさらなる交流に期待を寄せています。
多様性や自然の保護など学ぶ「田んぼの学校」を企画ビオトープアドバイザー・是永博さん是永博さんの名刺には、「ビオトープアドバイザー(管理士)」という聞きなれない肩書きが付いています。これは「地域の自然生態系を守り、取り戻すことを中心に、人と自然が共存する持続可能なまちづくり・くにづくりを実践する技術者」の資格で、(財)日本生態系協会が認定しているものです。この資格を取るには、ビオトープ論や環境関連法などの試験のほかに、二次試験では小論文も書いて合格しなければなりません。2008年に資格を取得した是永さんは、製薬会社の研究所で働いていましたが、会社の統合を機に中途退職し、現在は飯島幸三郎さんの農園で働いています。「小さい時から生き物が好きだった」そうです。 「みんなの再生田」づくりの参加者には、「『田んぼの学校』は自然保護に直接貢献する活動であり、生物多様性を回復し保全する活動でもあることを理解してほしい」と話しています。 再生田の水路には、すでにオタマジャクシやドジョウ、ヒキガエルなどがうごめいています。
(新聞「農民」2010.4.19付)
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[2010年4月]
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