緑のふるさと協力隊地域の人とふれあい、農作業・地域おこしから
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最後に全員が登壇し、「ふるさと」を合唱。「充実した1年だった」 |
協力隊代表による報告では、3人の若者が1年間の成果を発表しました。(発言要旨は別掲)
協力隊OGで、現在は派遣先だった島根県旧掛合町(現雲南市)でミュージシャンとして活躍しながら、町おこし事業にもかかわっている白(しら)築(つき)純さんはライブで美しい歌声を響かせ、会場を沸かせました。
フィナーレは、16期の協力隊員全員が登壇し、「ふるさと」を口ずさみながら、一人一人が一言感想を述べました。
会場内には、45人の隊員の活動ブースが派遣自治体ごとに設けられ、1年間の活動を写真やパネルで展示。地域の特産品が並び、試飲・試食が行われ、報告会参加者と交流しました。
ブースで参加者と交流していた協力隊員の一人、宮崎県日之影町に派遣されていた岡田原(もと)史(し)さん(23)=千葉県市川市出身=は、「いぜんから農業に興味があり、やってみたい」と考えていました。日之影町で得たものは「農山村には農業だけでなく林業があり、山、川のすべてに生活の知恵が感じられた」と振り返ります。
その一方で、「伐採されたまま、植林もされずに裸地になっている山林など農山村の現実も知ることができ、これは日本全体で考えなければならない問題。何かしなければ」と感じました。
なば木の天地返し作業をする岡田さん |
こうした現実のなかでも、住民は生き生きとして楽しく過ごしているのを目の当たりにした岡田さんは「伝統工芸の製作、集落支援など勉強したいことがたくさんある」と、引き続き日之影町に残ることを決意しました。
長野県泰(やす)阜(おか)村・川上和浩さん(22) 働くことの意味、生きがいを考え直したくなって、外食企業の内定を辞退して協力隊に参加しました。活動を通じて、思いやりの精神、感謝の心を学びました。誕生カードをお年寄りに渡すと、感動のあまり涙ぐんでくれ、態度で示してくれるのがうれしかったです。働く上での価値、楽しみを改めて認識し、感謝の気持ちから4月からも引き続き村に残ることになりました。農業振興、地域おこしなど新たな気持ちでがんばりたい。
兵庫県多可町・小野正晴さん(22) スーパーやコンビニがあり、思い描いていた田舎の風景との違いに初めは戸惑い、「なぜここに来たのか」と、自分の役割が見いだせずに悩みました。地域の中に入り、語り合い、出会いが増えるなかで、居心地のよい場になっていきました。町に残るべきか迷いましたが、「せっかく1年間学んだわけだから、一つの地域にとらわれず、町民の枠を超えて、現状を変えてほしい」という言葉に励まされ、離れることになりました。本番はこれからです。
ふるさとの息吹を伝える協力隊員の各ブースで参加者が交流 |
(注)年齢は参加申し込み時のものです。
[2010年4月]
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