「農民」記事データベース20100405-919-03

東北農団連が農政局と交渉

生産費の単価は再生産保障するものに

米戸別所得補償モデル事業など

関連/農村女性はもっと自信もとう


画像 東北6県の農民連でつくる東北農業農民団体連絡協議会(東北農団連)は3月8日、今年から始まる米戸別所得補償モデル事業と水田利活用自給力向上事業などについて、宮崎正義東北農政局長あてに要請し交渉をおこないました。東北6県の農民連から11人が参加。農政局側は、企画調整室の川名健雄室長らが対応しました。

 冒頭、米戸別所得補償モデル事業の基礎となる生産費の単価が再生産を保障するものになっていないことについて、意見が集中しました。また「米価下落への対策がなければ、所得補償は買いたたきの口実にもなりかねない」との指摘に対しては、明確な回答がありませんでした。

 さらに、事業の具体的な運用について、対象要件の周知や新規需要米・加工用米の販路拡大などを要請しましたが、「情報提供につとめる」という回答にとどまりました。交付金の支払時期についても、「固定部分は年内、変動部分は年度内の支払い」という説明のみで、「これでは年を越せない」という厳しい声があがりました。

 ミニマム・アクセス米については「60万トンはエサ米に回っているので主食用には影響を与えていない」と回答。これに対し「新規需要米などと競合するので廃止するべきだ」との意見が相次ぎました。

 この交渉には、日本共産党の高橋ちづ子衆議院議員が同席しました。

(岩手県農民連 岡田現三)


農村女性はもっと自信もとう

女性農業委員活動推進シンポ

画像 「第6回女性農業委員活動推進シンポジウム」が、3月9日、東京都内で開かれ、全国から80人余の女性の農業委員が出席しました。このシンポジウムは、女性農業委員数と活動の拡大を目的に、全国農業会議所が毎年開いているものです。

 シンポでは、日本女子大学家政経済学科の植田敬子教授が、08年に全国農業会議所の協力で行った女性農業委員へのアンケートの結果を発表しました。アンケートには、女性農業委員983人と、女性農業委員のいる農業委員会の男性委員1601人が回答しました。

 アンケートでは、女性農業委員が男性より少ないことについて女性は71・4%、男性は56・7%が「女性を増やすべき」と回答。また業務の適性については、「耕作目的の権利移動の許認可」では男女とも7割以上が「差異なし」、「遊休農地解消対策」では62・4%の女性と、58・6%の男性が「差異なし」と回答しています。さらに「地産地消、食育等業務」では、女性の7割、男性の6割が「女性に適性あり」と回答しました。植田さんは、これらの結果を紹介して、「農業委員会で今まで女性ががんばってきた成果は評価されている。女性はもっと自信を持つべき」と述べました。

 会場からは「農業委員になるような社会参画の場がない、ごく一般的な農村女性の意識調査もぜひ実施してほしい。そうすることで今の農業が抱える困難がより鮮明に浮き上がるのでは」といった声や、「農業女性の地位向上には、家族労働費を経費と認めない所得税法56条の改定がどうしても必要」などの声が上がりました。

 パネルディスカッションでは、「農業委員会では遠慮しないで必ず発言している。議論が活発になり、男性の委員からも“あんたが委員になってよかった”と言われた」など、各地の女性農業委員の活躍が語られました。

(新聞「農民」2010.4.5付)
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2010年4月

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