やんばるの森に
米軍ヘリパッドつくるな
沖縄・東村高江地区に新たに6カ所建設ねらう
パイナップルの村、沖縄県東村高江区に米軍のヘリパッド基地の建設が強行されようとしています。ヘリパッドとは、ヘリコプター離着陸帯のこと。これは、1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意によって、北部訓練場の北半分を返還する代わりに、返還予定地にあるヘリパッドを、やんばる(山原)の森を切り開いて南側に移設しようとするもの。北部訓練場は98年に、世界で唯一のジャングル戦のための訓練施設として「ジャングル戦闘訓練センター」と名称を変え、海兵隊のサバイバル訓練、ヘリコプターでの移動宙吊り訓練、模擬弾を使用する射撃訓練など、戦場さながらの訓練が行われています。
今でも15カ所
現在でも東村には15カ所のヘリパッドがあり、高江区民(約150人)は爆音や墜落の危険にさらされています。地元の人々は、「訓練が始まると、いつどこから米兵が出てくるかわからないので怖い」「夜も低空飛行で家の上を飛ぶ。窓ガラスはビリビリ、茶わんはガタガタ。石を投げたら当たりそうなくらい低く飛ぶ」「子どもが夜中に“怖いよ”と泣きわめく」などと訴えています。
そこへ新たに高江集落を囲むように6カ所のヘリパッドの建設が予定されているのです。いちばん近い民家からわずか400メートルという距離です。
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ヘリパッドの建設中止を求めて、昼も夜も座り込みの抗議行動が続けられています |
パイナップル生産の農民連会員
「住民の会」と連帯し立ち上がる
2度も建設反対決議
高江区民は、総会で2度にわたって建設反対の決議を行い政府に陳情しましたが、政府はこれを無視して建設を強行しようとしています。
高江区のなかには、パイナップルを生産する農民連の組合員もいます。隣の集落に住む組合員は、「戦後、南部の肥よくな耕地を米軍に強制的に接収され、この東村で苦労してパイン生産を定着させてきた。しかし、訓練中の米兵が突然、がけから転げ落ちてきたこともあり、安心して農作業もできない」と話しています。
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パイナップル生産に励む沖縄県農民連東支部のメンバー |
全国に知らせ支援を
2月27日の農民連東支部の定例会では、パイナップル農業と住民の安全・安心、ヤンバルクイナやノグチゲラなど、世界でもここにしかいない貴重な動植物の宝庫になっている自然を守るために、ヘリパッド基地の建設に反対し、座り込みを続けている「住民の会」と連帯してがんばろうと話し合いました。
普天間基地の閉鎖、辺野古への移設反対と合わせて、ヘリパッド建設の実態を全国に知らせ、支援の輪を広げることが急がれています。
(農民連副会長 村尻勝信)
(新聞「農民」2010.3.29付)
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