旬の味
春は三寒四温のあとに来るのだが、雪国ではまだ遠い。その豪雪シーンから映画「いのちの山河」は始まる。岩手県旧沢内村で、いまから半世紀も前に「老人(60歳以上)と乳児の医療費無料化」を実現した、故深沢村長の物語である▼この映画がタイムリーなのは、悪名高い後期高齢者医療制度の即時撤廃をマニフェストに大書きし、声高に叫んで国民の支持を得た民主党政権が、その先送りどころか後期高齢者を65歳までに拡大する方針を打ち出したからである▼これには失望を通り越してあきれはてた。7月の参院選では「年寄りをなめた怖さを、目にもの見せてやろうじゃないか」と手ぐすね引いて待っているが、それができるのは、アメリカと大企業にきっぱりとモノが言える政党だけであろう▼深沢村長は「国民の生命を守るのは国の責任」と言った。そして「村民が力をあわせればどんなことでもできる」とも。猛吹雪の中で全村民が村長の遺体を待つラストシーンに、涙でスクリーンがかすんだ。 (新)
(新聞「農民」2010.3.22付)
|
[2010年3月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2010, 農民運動全国連合会