「農民」記事データベース20100315-916-06

富 山

新会長の紹介

2ヘクタールの稲作農家 大橋 国昭さん


力あわせて農業の地位回復を

 2月7日に開かれた富山県農民連の定期大会で、大橋国昭さん(69)が新しい会長に選出されました。

画像 私はいま、妻と2人で2ヘクタールの水田を耕作しています。以前は、「富山のくすり」の配置販売業に従事してきましたが、廃業後、会社勤めの兼業農家として生計を立ててきました。この間、全日農時代には米価運動に参加しましたが、全日農が数年で休業状態になり、農民連の結成と同時に富山県農民連に参画し、現在に至っています。

 昨年4月、2度目の挑戦で富山市農業委員に当選しました。土地改良区の理事も引き受け、農家の人たちといっしょに汗を流して行動したいと思っています。

 米をめぐる情勢は、農業と農村の足腰をたたきのめしてしまいそうな有様です。従来から共同管理されてきた用排水路や農道が放り出され、集落の共同が失われつつあります。息子にはかわいそうで「田んぼをやれ」とは言えないし、子どもたちには「田を始末していってくれ」と言われるなど、10年から20年後には農業をする人がいなくなるのではないかと、あやぶんでいます。

 鳩山内閣が打ち出した「米戸別所得補償モデル事業」の生産費は60キロあたり1万3703円で、農政事務所の回答によると、1時間あたりの家族労賃はわずか135円余です。これでは、子どもの小遣い銭にもなりません。農業が再生産できるように価格保障と所得補償の対策が必要です。

 どっしりと腰をすえた農業の地位を回復させるために、微力ですが仲間のみなさんと腕を組んでがんばっていきます。よろしくお願いします。

(新聞「農民」2010.3.15付)
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2010年3月

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