和歌山
新会長の紹介
果樹と野菜の専業農家 井上 雅夫さん
期待して待つより運動強めて
1月30日の和歌山県農民連総会で、新しく会長に選出された井上雅夫さん(55)を紹介します。
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高校卒業後、2年間、農林省(現農水省)の果樹試験場興(おき)津(つ)支場(静岡県)で研修した後、35年間、紀ノ川平野のまん中で、専業農家として果樹と野菜を作っています。長男(29)もあとを継いで、イチゴの栽培に取り組んでいます。家族は妻と母親、長男夫婦、生まれたばかりの孫の6人です。
地元の那賀農民組合に加入したのは、1979年ごろです。紀ノ川農協の前身である那賀町農民組合時代の、産直事業に参加したのがきっかけです。その後、粉(こ)河(かわ)町農民組合の結成に参加し、書記長として活動しました。2005年に5つの町が合併して紀の川市が誕生し、農民組合も合併して那賀農民組合となり、書記長の仕事は終了しました。今回の総会で県連会長として推薦され、たいへん驚いています。
果樹中心の和歌山ですが、柿、梅、桃、柑橘、キウイ、イチジクなど、どれも近年の価格低下で経営は厳しくなっています。紀ノ川平野の北部を中心に、米、トマト、たまねぎ、葉菜類、果菜類などもたくさん作っていますが、こちらも同様に厳しくなっています。環境保全型・循環型の農業を推進したり、学校給食や直売所などの地産地消の運動などでもがんばっていますが、長年続いた自民党農政の「負の遺産」が大きくのしかかっています。農村集落の維持も大変になってきています。
政権は交代しましたが、期待して待つより運動を広げ強めていかなければ、農政の転換は勝ち取れないと感じています。農業が、農民の生活と経営を守り、次の世代に引き継がれる職業になるように、みんなでがんばっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
(新聞「農民」2010.3.1付)
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