生きもの調査 都会の女性と交流 有機栽培アイガモ農法
多種多彩なイベント企て
結びつき広げた
山形 置賜農民連青年部
山形県南部にある置賜農民連青年部は、12年前に農家3人、事務局1人の計4人で発足しました。当時は目立った活動もなく、たまに集まっては酒を飲む程度でした。そのうちいろいろな雑用の依頼をもらったり、周りの人たちが世話をしてくれたり、温かく見守ってくれたおかげで、だんだん部員も活動も増え、いまでは農家・非農家合わせて約20人の部員になりました。企画会議を開き、その中で何かを学び、反省会で楽しく酒を飲むことを心がけ、多種多彩な活動をしています。
(置賜農民連青年部 渡沢寿)
地域の人たちの助けを受けて
部員4人から非農家含め20人に
田んぼの生きもの調査(5月下旬〜8月)
これは、田んぼの中や周辺の生きもの・草花を調査し、田んぼを含む地域環境を知ろうという全国的な取り組みです。この活動を通して、なぜ日本に田んぼやお米がなくてはならないのかなどを、農家と消費者がいっしょになって考えます。青年部は、研修を受けた上でインストラクターとして調査を取り仕切っています。また、生きものにやさしい農業をすることで得られる肥沃な土を有機栽培に役立てるために、学習会を開き技術の向上をめざしています。今年、名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締結国会議でも「生きもの調査」が大きなテーマになっているので、参加する準備を進めています。
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田んぼにはどんな生きものがいるのかな? |
セガレ・ツアー(6月田植え↓10月稲刈り↓12月東京で販売)
東京で活動する「セガレ」という団体から、「山形県南陽市のPR」と「東京女×山形男の交流」を目的として農作業体験ツアーを企画したいという依頼があり、その実行委員会に代表者を派遣しました。実行委員会にはさまざまな職種の人たちが参加していますが、青年部は田植え、稲刈りなどの農作業イベントを受け持ち、ツアーの主力として貢献しました。東京の女の子だけではなく、実行委員会として知り合った地元の青年たちともつながりが持て、交流の幅がとても広がりました。
栽培したお米がJAS有機栽培米だったため、みんなで田植えや3回の草取り、杭がけでの自然乾燥、そして販売を行いましたが、非農家の人たちにはとても勉強になったと思います。
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セガレ・ツアーでどろんこの青年たち |
保育園児との交流(6月上旬)
地元の漆山保育園との交流が始まって5年目になります。最初は園長先生の「子どもたちにドロだらけになる体験をさせたい」という話からでした。部員の子どもが保育園にいたこともあって話はトントン拍子に進み、有機栽培アイガモ農法田の田植えとアイガモの放鳥を実施しました。
子どもたちは「ぬるぬるして気持ちいい」「入るのこわい」などと言いながら気が向くままに苗を植え、「フワフワしてる」「あったかーい」と喜びながらアイガモを田んぼに放していました。当初は子どもとどう接していいかわからず、おっかなびっくりの青年部員でしたが、5年目ともなると慣れたもので、保父さんみたいでした。
その田んぼで取れたお米が、米食味分析鑑定コンクール国際大会で2年連続して金賞を受賞しました。保育園で子どもたちと一緒にそのお米を炊いて食べながら、喜びを分かち合いました。
秋の大収穫祭(9月中旬)
当初は農民連会員や産直センター組合員のお祭りでしたが、10回目を迎えた昨年はほとんどが一般の人たちで、230人を超え大盛況でした。
メインは豚の丸焼き。そして、農民連婦人部のお母さんたち手作りの料理も並びます。いまや地元の恒例行事になりました。スタッフが青年部だけでは足りず、友だちや他団体の青年、全国青年部の仲間たちにも応援してもらい、なんとか乗り切れました。
お手伝いをしてもらうスタッフに好評なのが、Tシャツと反省会です。Tシャツは毎年新調される貴重品で、手伝ってくれる人しか着られません。反省会は千葉県連青年部が作ってくれるシーフードパーティー。こっちが楽しみで来る人もいるとかいないとか?!
(新聞「農民」2010.3.1付)
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