「農民」記事データベース20100301-914-02

生産費まかなう乳価上げを

畜産部会前にして
農民連・畜全協が農水省要請

関連/幅広く意見出し合い交流


中央酪農会議などへも訪問

 農水省は2月23日に食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、2010年度畜産・酪農対策を決定します。これを前に、農民連と畜産農民全国協議会(畜全協)の代表は18日、赤松広隆農水大臣あてに「深刻な事態にある酪農・畜産をまもり、食料自給率の向上を求める」要請を行いました。19日には、中央酪農会議と日本畜産会を訪ね、同様の要請を行ない、参院農水委員会を傍聴しました。この行動には、北海道、福島、茨城、千葉、静岡から酪農家、肉牛農家、養豚農家など約20人が参加しました。

 この5年間で2万戸近くの農家が離農するなど、畜産・酪農は危機的な経営状況に直面しています。参加者は「生産費をまかなう乳価に引き上げること。加工用牛乳の生産者補給金を引き上げ、限度数量を拡大すること。チーズ用乳価を大幅に引き上げること」「肉用子牛補給金の保証基準価格を引き上げ、肉用肥育経営安定対策事業(マルキン)を継続」など6項目にわたって要請しました。

 これに対して農水省は「乳価は生産者と乳業メーカーとの話し合いで決まる。市場原理だ」と答弁。農民らは、「メーカーは資本力にものを言わせて買いたたいているのが現状だ。一方では、脱脂粉乳やバターを輸入してダブつかせ価格を引き下げている。価格形成には政府が強く関与し、輸入を抑制すべきだ」と強く求めました。

 また、「朝早くから夜遅くまで、牛舎で365日休まず働き詰めても、日雇い労働者の賃金にも届かない」「デフレだと言ってスーパーなどでは肉を安売りしている。一方、エサ代はデフレなのに高止まりだ。これでは経営が成り立たない」など悲痛な声があげられました。

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農水省の担当官に要請する各地の酪農家・畜産農家

 畜全協の森島倫生会長は「夢も希望も持てない状況だ。これでは地域も後継者も育たない。政府は、経営安定のために腹の据わったしっかりした支援をしてほしい」と訴えました。


幅広く意見出し合い交流

農民連女性部 共産党女性委員会と懇談

画像 農民連女性部は2月15日、日本共産党女性委員会と懇談しました。これは、日本共産党側の呼びかけにこたえたもの。

 冒頭、日本共産党女性委員会の広井暢子責任者は「農村の現場で活動するみなさんの思い、願いをぜひ聞かせてほしい。政策づくりと運動をさらに前進させるために、今日を第一歩にして交流を深めましょう」とあいさつしました。

 農民連女性部から40人余が参加し、土地改良事業の予算が削減されて地域の基盤整備事業が中断したことや、みかん園の放棄地が増えていることなどの農業問題から、孫が高熱を出したが受け入れ病院がなく他県の病院に入院せざるをえなかったなど、医療や介護の問題まで、生活にかかわる幅広い意見や要望が出されました。また、女性差別撤廃条約の関連法が整備されてこなかった問題なども出され、運動を強めていくことが大事といった意見も出されました。

 日本共産党女性委員会の高橋ちづ子副責任者(衆議院議員)は、「今日は貴重な意見を聞かせてもらった。皆さんの声を国会活動にもいかしていきたい」と述べました。

(新聞「農民」2010.3.1付)
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2010年3月

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