畜産・酪農このままではやっていけません生産費賄い安心して営農したい
2月下旬に、今年の畜産を方向づける食料・農業・農村審議会畜産部会が開かれます。畜産の現情は…。
〈酪農〉 乳価は昨年少し上がり、北海道では80円前後。10月にはプール乳価が2円40銭引き下げられました。一方、高騰した飼料価格が高止まりのため、生産費は前年に比べ5%余り上昇するなど、酪農家の経営は本当に大変です。5年間で4400戸の酪農家が離農しています。
〈肉牛〉 枝肉価格が低迷し、肉専用種、交雑種、乳用種も生産費が販売額を上回り、赤字経営となっています。そのため、牛肥育経営安定対策事業(マルキン)が発動され、農家の積立金が増額されています。子牛の価格が安いのも問題で、スモールが以前は1万8000円くらいでしたが、いまでは5000円で取引されています。肥育農家も牛肉が安く、見通しが立たないので育成を控えています。そのため、5年間で1万3300戸が離農しています。 〈養豚〉 豚肉の卸売価格は、対前年比16・7%も低下し、400円台前半を推移しています。都道府県単位の地域肉豚基金が発動されており、基金が不足している状況です。調整保管も実施していますが、価格引き上げの効果は30円程度で効果があがっていません。養豚農家は「1頭あたり1万円の赤字だ。子豚に輸入ワクチンを打つ費用も高く、本当に大変だ」と悲痛な声をあげています。 〈鶏卵〉 飼料代が上がっているのに、卵価はキロ当たり140円と低い価格で推移。生産者とJAで拠出している卵価安定基金で、基準価格キロ当たり191円以下の場合にはその差額の9割を補てんしていますが、基金が底をつく状況です。 こうした赤字経営の根本原因は、安い肉や肉製品が大量に輸入されているからです。また、スーパーなど量販店の買いたたきも、ひどい状況です。
全国の畜産農家の皆さんに訴えます畜産農民全国協議会会長 森島倫生全国の畜産農家の皆さん!民主党政権に対し、片手にくみ交わす銘酒ともう一方の手で励ましの剣を、の思いがつのります。私たちが心から喜べる日の到来を心待ちにしつつ、しかしただ待っているだけでは何も誰も動きません。 私たち自身が消費者の皆さんとともに力を合わせて、声をあげることが重要だと訴えます。牛も豚も鶏もすべての畜種を超えて共同、共闘の輪を広げようではありませんか。 文字通り座して死するか、立ち上がってものを言うかの選択の時です。言うべきことは山ほどあります。民主党は総選挙で、畜産も含めて農業と農家を守ることを約束したのですから、その実行を求めることは、理のあることです。 食料・農業・農村審議会畜産部会に声を届けましょう。ぜひ、皆さんの願い、思いを畜全協に集中して下さい。 ともに力を合わせてがんばりましょう。
(新聞「農民」2010.2.22付)
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[2010年2月]
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