「農民」記事データベース20100222-913-02

水田利活用事業・土地改良見直し・ハイチ救援米

守ろう!食・農と暮らし

2・12総行動 農民連が農相要請

関連/備蓄米買い入れが米価下落に拍車!


 「暮らしと食・農を守ろう」―労働組合や民主団体は2月12日、鳩山内閣に国民の要求実現をせまる中央行動を開き、約7000人が参加しました。

 農民連・食健連も参加。昼の「総決起集会」では、農民を代表して富山県農民連の水越清三さんが発言。農水省が切り捨てようとしたチューリップ球根栽培を守るたたかいを報告し、「地域経済の主力である農業を守ることが景気回復にもつながる。みなさんと固く団結してたたかう」と力強く決意表明しました。

 中央行動のなかで農民連・食健連の代表は、赤松農相あてに(1)十分な備蓄米を確保し、生産費に見合う価格で買い入れること、(2)需要のないミニマムアクセス米の輸入を中止すること、(3)販路の確保や激変緩和措置の柔軟な対応など、「水田利活用自給力向上事業」を円滑に実施すること、(4)予算が大幅に削減された土地改良事業の計画を見直すこと、(5)ハイチ救済のため、ミニマムアクセス米を救援米として活用すること、を要請しました。

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集会後、農水省前をデモ行進する農民連・食健連の参加者

 要請行動では参加者から「政府は備蓄米を安く買い入れている。米価下落に手を貸すようなことはするな」「16万トンに加えて20年産も含め30万トン規模の買い入れを」「戸別所得補償対策の周知徹底が遅く、営農計画がたたない。スピードアップしてほしい」「激変緩和措置では、条件を付けずにきちんと補てんできるように指導せよ」「土地改良事業が突然中止になって営農できない状況だ。なんとかしてほしい」「わらの活用を豚やニワトリにも特例として認めてほしい」など、切実な要求が次々に出されました。


備蓄米買い入れが米価下落に拍車!

1万2000円台の超安値
入札3回でようやく10万トン

 総選挙のマニフェストで、300万トンの棚上げ備蓄を公約した民主党。新政権が初めて実施した備蓄米の買い入れは少しは需給を引き締め、「米価下落に歯止めがかかるのでは」と期待されましたが、むしろ米価下落に拍車をかける結果を招き、鳩山内閣の米政策が大きく問われています。

 昨年春以来、農民連をはじめ多くの関係者が求めてきた備蓄米の買い入れ。政府はようやく昨年11月に100万トン備蓄に不足する16万トンの買い入れを決めました。

 買い入れは入札で、政府が決めた全国一本の予定価格(非公表)以下の米で、安い米から順に落札する方式。昨年12月の第1回は落札ゼロ、1月の2回目は4万トン弱の落札、2月の3回目で6万トン強が落札し、ようやく合計10万トンになりました。政府の予定価格は、市場価格を大きく下回る1万2950円前後の設定と見られています。あまりの安さに当初は「とてもつきあいきれない」としていた業者も、政府自ら安値を誘導するようでは「この先米価はさらに下落」とみて、安くても政府に売り渡した方が「まだまし」との判断に傾いているもようで、2月25日の4回目の入札で16万トンの買入枠は全量埋まるものと思われます。

MA米の買いっぷりは自公政権以上

 一方、ミニマムアクセス米の今年度分の輸入は、9月から始めて2月5日現在、アメリカ、中国、タイなどから主食用、加工用合わせて58万8000トンに達しています。昨年度は同時期までの買い入れが36万トンでしたから、1・6倍の買い入れペースです。

 鳩山内閣が進める「米戸別所得補償モデル事業」が、米価下落や輸入自由化を前提にした「対策」でないとするならば、緊急に米価下落に歯止めをかけ、主食用や不要なミニマムアクセス米の輸入を中止すべきです。

(農民連ふるさとネットワーク 横山昭三)

(新聞「農民」2010.2.22付)
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2010年2月

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