本の紹介
高橋淳子著
東京「農」離島
東京の離島で暮らす人々の
農業と生活を伝える写真集
交通の便も限られる東京の離島。そこにも、島で暮らす人々の生活に根付いた「農」がある―農業をテーマに写真を撮り続けている写真家の高橋淳子さんが、3冊目の写真集「東京『農』離島」を出版しました。
2007年9月26日、神津島からスタートした東京の島“農業めぐり”は、約1年半かかって2009年2月4日の利島の取材で終了しました。「事前の下調べはせず、現地で感じたままを撮った」という高橋さん。島の人たちに支えられながら(たとえば、大事なバッグを置き忘れてしまったり、野菜を送ってもらったり、いろいろな人を紹介してもらったり…)、農作業にとどまらず、郷土料理やお祭り、盆かざり、島の葬儀まで、風土に根付いた農家の姿・農漁村の風景を写し出しています。
また、予定外の出来事が起こるなど、どんなふうに取材したのかがリアルにわかる紀行文にもなっていて、撮影現場のようすを楽しく知ることができます。東京の農業のすばらしさとたくましさ、島の魅力が伝わってくる写真集です。
▼2000円+税
▼文芸社 TEL 03(5369)2299
(新聞「農民」2010.2.15付)
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