神奈川 農畜産物供給センター
出荷分が良質・上位に
食べて比べて 採点どうぞ
野菜・果物の味の違い 栄養成分調べも
土づくり研究会 手をつなぐ会
農産物比較検討会
神奈川県の「土づくり研究会」(諏訪部明会長)と「生産者と消費者が手をつなぐ会」(高橋康雄会長)は1月16日、伊勢原市の神奈川農畜産物供給センターで、農産物比較検討会を行い、生産者や消費者ら約30人が参加しました。供給センターに出荷している生産者の農産物の栄養成分を調べ、参加者に試食、採点してもらうイベントです。
テーブルには、各生産者の野菜や果物のほか、市販の農産物も皿ごとに並べられ、参加者が順番に試食しながら、5段階評価で採点していきます。同時に、栄養成分の分析を「手をつなぐ会」食品安全委員会の消費者会員が独自に行いました。
分析と採点の結果をホウレンソウの栄養成分でみると、にがみを感じる硝酸イオンの数値では、おおむね市販のものが高く、「土づくり研究会」の生産者のものは低いという結果がでました。ブロッコリーの場合、ビタミンCの量は、市販のものが低く、供給センターの出荷者のものは高くなりました。食味は、ホウレンソウ、ブロッコリーとも「土づくり研究会」の生産者のものが上位を占めました。
参加者は、試食しながら諏訪部さん(愛川町)がアイガモ農法で作ったコシヒカリ、中井町の大原好文さん(土づくり研究会副会長)が仕留めたイノシシのしし鍋も一緒にほおばりました。
空腹が満たされたところで、食べた感想を出し合う合評会。「土づくり研究会」副会長の小沢長男さん(中井町の生産者)が「安全・安心だけでなく栄養のある農産物作りが必要です。消費者とともに考えながら作っていきたい」とあいさつ。大原さんは「食べて評価してもらい、遠慮なく意見を言ってもらうことは、生産者も努力して、自信をもって消費者に勧められることにつながります」と述べました。
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「これはおいしい!」。食べ比べながらにぎやかに採点しました |
参加者からは「初めての参加で、採点は難しかったが、味の違いがよくわかった」「こうした取り組みはほかではやっていない。生産者も手をつなぐ会の仲間が増えてほしいと願っている」などの意見が出されました。
横浜市の小学校給食調理員、萩原和子さんは「生産者が安全とおいしさにこだわって作っているのがよくわかりました。作っている人の顔が見えるって大事ですね」と笑顔。相模原市の生産者、笹野茂さんは「生産者同士が情報交換することは大事だし、刺激になっています」と述べ、「手をつなぐ会」の山内妙子さん(海老名市)は「安全性が確かなものを届けてもらっているのはありがたい。生産者の農への気持ちを受け止められました」と語りました。
(新聞「農民」2010.2.8付)
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