「農民」記事データベース20100208-911-01

確定申告まぢか

正確な計算 キチンと学び
出足早く取り組もう

農民連・税対部長 坪井 貞夫

関連/税金学習会を計画し仲間づくりに正面から
  /「手引き」大変わかりやすい


農業機械器具の耐用年数が変わる

画像 昨年に続いて、今年も減価償却資産の償却方法が変わりました。いま、確定申告にむけて、各地で税金相談会や記帳会が取り組まれていますが、「計算のやり方がわからない」など「改正」に伴って多くの質問が寄せられています。

 農業用機械器具(10万円以上)の耐用年数が、これまでは8年や5年など機械器具ごとに違っていましたが、今年の申告から一律7年になります。ただし、車庫や農舎など構築物はこれまで通りです。

 この「改正」は、これまで申告していた農業機械についても適用されますが、その資産(農機具など)の購入(取得)時までさかのぼって再計算するのではなく、今年の申告から新しい耐用年数(7年の償却率)で計算することとされています。例を参考にして間違わずに計算しましょう。

 申告内容が間違っていると、税務署から呼び出されることがあります。ただし、間違って税金を多くおさめた人は呼び出さないで、少なく納めた人を呼び出します。キチンと勉強していないと損をすることになります。

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 農産物価格の暴落、資材の高騰などで経営が厳しいなか、税金で苦しんでいる農家や、計算の仕方が変わって困っている農家もたくさんいます。思い切って多くの農家に声をかけ、出足早く取り組みましょう。


税金学習会を計画し仲間づくりに正面から

石川県連事務局長 西 忠恭

(全国委員会での発言から)

画像 産直事業で、組織と財政をつくってきました。しかし、本当にひと皮むけた組織にするには税金の取り組みが必要だということで、一昨年には若い専従者が福島県連に行って研修し、昨年は2カ月に1回程度の学習会をやってきました。昨年秋に、福島県連事務局長の根本敬さんに「今年も専従者のめんどうをみてほしい」とお願いしたら、「オレが石川に行くよ」ということになりました。

 県連では、やっぱり役員の住んでいるところで相談会をやらないと、いつまでたっても役員が組織づくりの役割を果たすことはできない、という議論をしました。そして、根本さんを講師にした税金学習会を5カ所で開きましたが、まず役員が中心になって税金を学習し体験もするということが、前進するうえで大切な点です。

 また、根本さんに来てもらって相談会のイメージがはじめてわきました。「確定申告とはどういうことか」からはじまって、申告のポイントや具体的な事例をパソコンを使って計算してみる。こういう相談会のイメージができるかどうかが、やるうえですごく大切です。

 ただ、わからないところがいっぱいあって、最後まで責任を持ってやっていけるのか不安もありますが、これからが本番です。相談会や記帳会を計画し、核になるスタッフも育てながら、仲間づくりに正面から取り組んでいきたい。


「手引き」大変わかりやすい

茨城・県南農民組合が税金学習会

多くの農家に声をかけて

 茨城農民連・県南農民組合は1月16日、県連書記長で税対部員の村田深さんを講師に、河内町で税金学習会を開きました。

 この日の学習会に向けて、2人で組をつくってレンコンを生産している農家を中心に約30戸と対話しながら案内を行い、500戸に新聞折り込みで知らせました。

 税金学習会には組合員が誘った新しい人を含め11人が参加。農民連の「確定申告の手引き」をテキストに、減価償却など今年の改正点を中心に学習しました。講師が改正された減価償却の仕方を話すと、ベテランの農家でも「なるほど」と納得。新しく参加した農家も「『手引き』はたいへんわかりやすく書いてある」と感心しながら、熱心にメモをとっていました。

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講師の村田さん(左端)の説明を熱心に聞く参加者

 県南農民組合の山口徹さんは「農業機械や設備の耐用年数が一律7年に変わり、未償却残高を再計算しなければならないケースも増えています。どうしたらいいか困っている農家も多いので、さらに声をかけて税金相談会を開いていきたい」と話しています。

(新聞「農民」2010.2.8付)
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2010年2月

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