生産者の指導受けた農業体験
やらなきゃ損そん 教育ファーム
推進全国大会に50団体
魅力や成功の秘けつを語る
生産者の指導を受けながら農業体験などを行う「教育ファーム」がひろがっています。全国の実践を集めた「教育ファーム推進全国大会」が1月16日、東京国際フォーラムで開催され、全国から約50団体が出演・出展。一般参加者も多数つめかけて、ステージや展示に熱心に見入りました。
社団法人農山漁村文化協会(農文協)が主催。2008年に次いで2回目の開催です。
午前のパネルディスカッション「仕掛け人が語る教育ファームの魅力」では、4人のパネリストがそれぞれの実践を紹介しました。
宮崎県・JAえびの市青年部長の鬼川直也さんは、地元の大学で栄養学を学ぶ女子学生たちといっしょにサツマイモを育てた経験を報告。学生の代表も発言し、はだしで畑に入った植え付け作業から収穫後のお菓子づくりまで、学生たちがさまざまな体験を通じて食と農への理解を深め、地域の農業の応援団になっていった過程がいきいきと語られました。
広島県・尾道市立木の庄西小学校教頭の鶴満喜枝さんは、生活科授業での農業体験が子どもたちの意欲や積極性を育てると述べ、とくに、絵画や俳句などの豊かな表現力が育つことを、作例を示して紹介しました。
山梨県北杜市の職員、浅川祐介さんは食育と地産地消を中心にすえた町づくりの取り組みを、また、札幌市・市民体験農業を考える会の中田三喜男さんは都市部の遊休農地を利用した親子参加型農業体験の経験を、それぞれ報告しました。
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パネルディスカッションでは、各地の農業体験の実践が報告された |
午後のステージは「わくわく教育ファーム劇場」。農業体験や食育活動で実績を重ねてきた人たちが、成功の秘けつやコツを披露しました。
以前、本紙でも紹介した東京都・大泉風の学校の白石好孝さんは、農家が小学校の農業体験授業を受け入れる際の注意点や工夫を、小道具も含めて具体的に説明。福島県農民連と交流を深めている猪苗代町・ヴィライナワシロ総料理長の山際博美さんは、地場産野菜を生かす簡単なレシピを次々に紹介して、聴衆の感嘆の声を誘っていました。
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大根のジュースを紹介する山際シェフ |
農文協の栗田庄一常務理事は閉会あいさつで、「一歩動き出せば地域の宝がたくさん見つかる。教育ファームは『やらなきゃ損』だ」と述べ、「全国の農山漁村に取り組みをひろげよう」と呼びかけました。
(新聞「農民」2010.2.1付)
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