「農民」記事データベース20100111-907-06

地域で交流深める
わこうど結(ゆい)ネット
仲間集まり未来ひらく

静 岡


 就農志願者も次々に参加して

 大坂俊広さん(27)は、藤枝市の非農家の出身。エコツアーのガイドなどをしているうちに農業を志すようになり、栃木県の農業塾で2年間修行。昨年1月、故郷で新規就農しました。

 農業委員会の紹介で畑を借り、5月に結婚した和嘉子さん(29)とともに無農薬で約50種類の野菜を栽培しています。毎週、10種類ほどをセットにして、直接消費者に届けます。「昨年は平均して週に20セットでしたが、今年は倍にしたい」と俊広さん。経営のめども立ってきました。

 和嘉子さんは自然食のレストランを計画中。結ネットの仲間の「直売コーナー」もつくろうと考えています。

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無農薬野菜を栽培する大坂夫妻

 農業法人に勤める焼津市の早川大喜さん(31)は今年、親せきに養子に入って農家になり、無農薬の米づくりを始める予定です。「自分でつくったものを消費者に直接評価してもらえるのが農業のだいご味」と語ります。

 同じ焼津市の田中圭祐さん(26)は、昨年は群馬県の高原野菜の農家で住み込みで働いていました。大学で環境問題を学んだのがきっかけで農業に関心をもったといいます。昨年末に帰郷して結ネットに加入。先輩たちの助言を受けながら就農をめざしています。

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今年から「農家」をめざす早川さん(左)と田中さん

 非農家の若者と交流も大切に

 結ネットの会員は現在17人。米、野菜、茶、果樹、畜産と、つくっているものは多彩です。自前のそば栽培を計画中のそば屋さんも加入しました。

 畑を相互訪問して農業技術を交流。学習会には声を掛け合って参加します。牧之原市でお茶とじねんじょを生産する森下剛紀さん(38)は、「親や同業者とは違う意見が聞けるのがいい」と会の魅力を語ります。

 結ネットは、有機栽培の研究と活動資金のねん出を目的に、茶畑を借りて無農薬茶をつくったり、地元のイベントへ出店・販売したりもしています。また、非農家の若者との交流も大切にしていて、いっしょにみそづくりや米づくりをしています。「農業の楽しさ、かっこよさをわかってほしい」というのが会員たちの願いです。

 毎月開かれる定例会では、各自一品持ち寄りで食事をしながら活動計画などを話し合います。昨年12月の例会は、新入会員も迎えて一段とにぎやか。「保育園の子どもたちとやったいも掘りは大成功。来年もやろう」「東京のイベントは農業に関心の強いお客さんが多くて励まされた」「農民連青年部の総会にもみんなで行こう」などの話題があふれました。

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みんなでつくる茶畑に集まった仲間たち

 藤枝市に住む農民連青年部長の杵塚歩さんも結ネットの会員。「仲間が集まればいろんなアイデアが出る。消費者とも結んで地域に『食』のネットワークをつくりたい」と夢が広がっています。

(新聞「農民」2010.1.11付)
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2010年1月

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