「コウノトリ育(はぐく)む農法」を紹介
兵庫県豊岡市が東京でエキシビション
自然生かした地域振興の取り組みアピール
コウノトリの野生復帰をめざす兵庫県豊岡市は11月10日、都内で、豊岡の自然保護の取り組みや特産品をアピールするエキシビション(展覧会)を開きました。
豊岡市の中貝宗治市長が、市の自然、歴史、文化について、スライドを使いながら紹介。あわせてコウノトリの野生復帰、1925年に震災に襲われた城崎(きのさき)温泉の再興、1876年に大火に見舞われた出石(いずし)の再生について触れ、「失われた大切なものを取り戻し、守り、育てて次に引き渡す。これが豊岡の生き様です」と訴えました。
パネルディスカッションでは、俳優で日本野鳥の会会長、コウノトリファンクラブ会長の柳生博さんが「豊岡は本当にすてきなところ。コウノトリの野生復帰の取り組みを通じて、いろんな人が集まり、いろんな人たちと交流できる」と語りました。
豊岡市の農家でコウノトリ育むお米生産部会長の畷(なわて)悦喜さんは、農薬・化学肥料を使わないか極力減らして、田んぼに多様な生物が住めるようにする「コウノトリ育む農法」への取り組みを紹介。兵庫県農業改良課の西村いつき専門員が、コウノトリ育む農法を技術的に支援し、環境創造型農業を県内に普及している経験を述べました。
城崎温泉旅館協同組合理事の高宮浩之さんは、美しい自然を生かした地域振興の取り組みをアピールしました。
第2部は、「豊岡のチャレンジ」と題して、豊岡の魅力、特産品を展示・試食するブースが設けられました。オープニングでは、歌手の普天間かおりさんが歌「守りたいもの」を披露し、美しい歌声を響かせました。
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コウノトリ育む農法とコウノトリ米をアピール |
参加者は、コウノトリの野生復帰、育む農法の取り組みの紹介や、コウノトリ育むお米、但馬牛、出石皿そばなどの試食コーナーで、豊岡の味を堪能し、まちへの理解を深めていました。
(新聞「農民」2009.11.30付)
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