「農民」記事データベース20091123-902-17

旬の味


 季節は晩秋から初冬へと移る。お歳暮には少し早いが、その土地の「実りの秋」を交換する。農民ならではの交流だが、産品に添えられた短い手紙に心があたたまる▼農民連ふるさとネットワークの「冬季カタログ」ができあがり、全国から約100アイテムがそろったという。産直運動の原点とその発展方向は、まさにここにあり。これこそ「旬の味」の実践的な展開であり、そこには無限の可能性が潜在する。それは「旬の味」の物流もさることながら、情報ネットワークとしての機能である▼いまや農産物や食品の流通は巨大化し、企業のインテグレーション化は生産にまで及んでいる。契約栽培から企業の直接管理へ、さらに下請け従属へと進んでいる。そこに貫徹されているのは、競争原理と企業利潤だ。食の安全も生産者の存在も、そのための必要条件に過ぎない。FTA推進の論理と同じだ▼農民連の産直運動は、生産者と消費者による食の安全と安定的な生産の確保が、その運動の論理であり思想である。

(新)

(新聞「農民」2009.11.23付)
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2009年11月

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