検 証
八ッ場ダムは本当に必要か(2/2)
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ダム建設
ウソ ホント
大渇水、 大洪水のために必要?
利根川水系にはすでに11基のダムがあって、それらの夏期利水容量は合計で4億3329万立方メートル。八ツ場ダムができても約5%増えるだけです。また国交省の試算では、カスリーン台風規模の台風が再来したとしても、下流の観測地点のピーク流量は、ダムがある場合もない場合も同じ毎秒2万421トンでした。
中止した方が高くつく?
八ツ場ダム事業を継続した場合、新たに1000億円程度の事業費増額が見込まれ、今後の公金支出額は残事業費1390億円+1000億円で2390億円となります。
一方、中止した場合の必要事業費は、国交省が示す生活関連の残事業費770億円程度です。中止した方が差し引き1620億円も公金支出を減らすことができるのです。
ダムはすでに7割できている?
7割というのは、総事業費4600億円のうち、7割が2008年度までに使われたということであって、工事の進ちょく率とはまったく別です。本体工事は未着工で関連事業の進ちょく率も付け替え国道6%、付け替え県道2%、付け替え鉄道75%、代替地造成10%(2008年度末)であり、まだまだ多くの工事が残されています。
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吾妻川上にそびえ立つ工事中の県道林・東吾妻2号橋 |
暫定水利権が中止で失われる?
八ツ場ダムの暫定水利権とは、暫定的に許可されたダムの水の利用権で、そのほとんどを占めるのが埼玉県や群馬県などの農業用水転用水利権です。冬期は水利権がないとされ、都県は、ダム事業への参加で、冬期の水利権を得ることが求められています。
しかし、これらの農業用水転用水利権は夏期も冬期も長年の取水実績があり、冬期の取水に支障を来したことはありません。さらに、農業用水の取水量が激減するので、水利用の面でも十分な余裕があります。
生活再建と地域の振興策定こそ
市民団体が集会
八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会などは10月18日、都内で「八ツ場ダムのウソorホント? 徹底検証! 緊急集会」を開きました。
市民連絡会の嶋津暉之代表は、予定地の生活再建と地域の再生について報告。「大事なことは、地元住民の意向にもとづいて、生活再建・地域振興の計画が策定されなければならない」と指摘、「ダム中止後の生活再建支援法にもとづき、老朽化した家屋・建物の新改築、衰退した地域の基幹産業を再生させる支援プログラムの推進、移転した人たちを呼び戻すための既買収地の譲渡などが必要だ」と述べました。
集会では、「政権が交代した今こそ、1都5県は、旧政権下において隠された事実に基づいて改めて事業を検証し、政策を見直すべき」だとするアピールを採択しました。
(新聞「農民」2009.11.23付)
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