日本の食の魅力と可能性を紹介
スローフードニッポン2009・横浜市
スローフードの国内最大の祭典「スローフードニッポン2009・国際スローフードウィーク」が10月16日から11月1日まで横浜市内のみなとみらい地区で開かれました。スローフードをテーマに、マーケットやピクニックのほか、シンポジウムや映画祭、アートイベントなどを通じて、参加者は、食と農の振興、日本の食の魅力や可能性について考える機会になりました。
横浜ベイエリア特設スペースでは、マーケットやカフェが開催され、国内各地のスローフード協会や各団体の取り組みなどが紹介されました。
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「梅みそ」「梅干し」など“杉田梅”をアピール=10月25日、横浜市 |
横浜市ブースで“開港菜”アピール
横浜市のブースでは、横浜の農業を紹介するコーナーが設けられました。市内の農地は3274ヘクタールで市面積の8%、農家戸数は4423戸を数えます。コマツナの収穫量3700トンは全国2位、カリフラワーは504トンで8位となっています。市農業振興課の堀内大盟さんは「消費者と生産者の距離が近く、地産地消に適しています。両者が直接対話でき、農業への理解を深めるよい機会になっています」とメリットを強調します。
今年は横浜港開港150周年。開港当時、横浜港から入ったトマト、ニンジン、レタスなどの西洋野菜は、居留地に住む西洋人の食用として、港近くの子安、鶴見、磯子などで栽培され、その地に根付きました。
横浜市は、こうした野菜を、“横浜開港菜”と名づけ、消費者にアピールしています。さらに11月を「地産地消月間」と位置づけ、市内産農産物の学校給食への供給、市民への直売、料理教室などに力を入れています。
また、横浜市ブースの一角には、杉田梅コーナーが設けられ、梅干しなど梅料理が出展されました。磯子区杉田は、安藤広重の浮世絵にも描かれたこともある梅の名所。磯子区などを中心に区内各小学校、地元商店街などが杉田梅を再生させるプロジェクトを進行中で、苗木をつくり、植樹活動を行っています。
食料自給率米粉でアップ!
農水省と民間団体などが進める「FOOD ACTION NIPPON」のブースでは、「米粉で食料自給率アップ!」をテーマに、米粉パンや米めんが紹介されました。事務局の谷口隆太さんは「米粉のイメージをよくし、米の消費を上げることがねらいです。米粉製品の製造技術も上がっており、米消費の一環として食べてほしい。食料自給率の向上に貢献できればいいですね」と話していました。
(新聞「農民」2009.11.16付)
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