韓国農民交流と歴史探訪の旅
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農民連関東ブロック協議会 松本 慎一
楽しく有意義だった
KPLと懇談、体験村訪問
10月16日から19日の4日間、農民連関東ブロック主催で韓国農民との交流と歴史を訪ねる友好訪問を行いました。
これには、関東4県から17人(男性11人、女性6人)が参加し、楽しく有意義な旅となりました。成田空港から約2時間、ソウル近郊の仁川(インチョン)空港に到着。そこは例年にない小春日和の街でした。
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17人の旅行参加者。利川市の農業体験村“ブラミ”で |
「ハードとソフト」で
一行は、マイクロバスで最初の訪問先、農民連と友好関係にある韓国全国農民会総聯盟(KPL、ビア・カンペシーナに加入)の事務所に向かいました。そこはソウル市内にあるビルの2階にあり、大歓迎を受けながら、テーブルを囲んで懇談しました。
対応してくれたのは、渉外部長のミン・ドゥオンさんをはじめ、20代、30代と思われる7人の青年でした。この懇談には、韓国農漁村公社のチェ・ドジュさんが同席。韓国農業をめぐる情勢について、ミン部長は「この10年間、米をはじめとする農産物価格の低迷、農畜産物輸入の拡大などで就農者は半分に激減した。今、生産者米価が昨年比で20%も暴落し、農民に打撃を与えている。しかし政府は有効な対策をうっていない」と説明。日本の農政と共通することが多くあることに驚かされました。
一方、農民連との交流などをきっかけに地産地消、産直運動などに取り組み始めていることも報告されました。今後とも、これを機会に「ハードとソフト」の両方で大いに交流していくことを確認し、事務所を後にしました。
黄土染めに挑戦して
翌日は、早くから京畿道利川市の農業体験村「ブラミ」を訪問。ここは、30戸76人が資金を出し合い、2002年にオープン。今では、年間を通して、イチゴ、トマト、ブドウ狩り、稲作、やきもの、黄土染め、食堂・民宿などを経営するまでになり、昨年は3万3000人が来村したそうです。農民の収入増につながり、韓国版地産地消のモデル事業となっています。
その後、全員が黄土染めに挑戦し、見事な“ハンカチ”をお土産に持ち帰ることができました。帰りはソウルの大渋滞にまきこまれながら、安重根(アンジュングン)義士記念館に向かいました。
(つづく)
(新聞「農民」2009.11.9付)
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