旬の味
秋祭りが盛んだ。米の収穫を前に、一粒でも多くの実りを神に祈りたくなる。農民にとって、祭りは生活であり生命そのもの▼祭りを担う共同体はほうっておいても成立していたが、今日の農業破壊はそうしたものまでつぶしてしまう。だから「なんのために、なぜ祭りに取り組むのか」ということを会社勤めの人にも、よほどていねいに語らねばならない。家内安全・五穀豊穣(ほうじょう)の一部なのだということを知らせないと祭りにはならない▼先人たちは予見していたのか。悪政の暴風が吹いてもその罪科が地域に及んでも、祭りを通じて地域をまとめあげる人材をいつでも育てておくようにと▼山車が動いていく。暗闇の水田に不釣り合いなほど美しい。たくさんの子どもたちが乗り、笛を吹き太鼓をたたいている。それを支えている若者たちがいる。その姿を子どもたちはしっかり見つめている。かっこいいのだ。この子らの時代こそ、祭りの意味をあえて語らなくてもいい時代であってほしい。だから農民連なのだ。 (倫)
(新聞「農民」2009.10.26付)
|
[2009年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2009, 農民運動全国連合会