「農民」記事データベース20091005-895-10

旬の味


 実りの秋の喜びは、われら農民があじわう天与の豊かさである。いまごろは、豊年祭りの太鼓の音が秋の夜空に響き渡っていただろうに、その音も絶えて久しい。中秋の月だけが照っている▼“秋風やひとさし指はだれの墓”と寺山修司は詠んだが、この秋、指呼する先に見えるのは自公政治の墓だ。選挙によって政権を代えるという、多数者革命の理論が実証された。新しい政権に多くの問題があってもプラス思考だ。国民主権の実践的な成果として、歴史の中でとらえたい▼しかし民主党中心の政権は、戦後、日米安保体制の経済協定にそって進められてきた農業問題に、さらにFTAの促進を掲げる。これは、国内農業への重大な打撃にとどまらず、わが国の食糧主権を投げ捨てることにつながる。幅広い国民的な運動によって、「悪いこと」は阻止しなければならない▼そのたたかう農民の先陣に立つのは、いまや農民連をおいてほかにはない。“あかつきの道目覚めよと秋の星”―飯田龍太の句が浮かぶ。

(新)

(新聞「農民」2009.10.5付)
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2009年10月

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