初心者でも農家の指導で立派な野菜土に触れ命を育てる農業体験
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白石さん(手前の後ろ姿)の説明に聞き入る“生徒”たち |
「体を動かして、健康づくりにとか、家族でできる趣味にとか、生徒さんたちの目的も多彩です。新鮮で安全な農産物もさることながら、風を感じながら土に触れて、命を育てる農業体験には、人の心を癒やしたり、潤したり、命の大切さを実感したり、という新しい役割があると思います」と言います。
「地域の住民に農業に親しんでもらいたい」という白石さんの取り組みは、体験農園にとどまらず、多岐に広がっています。その一つが、地域の小中学校と連携した食農教育の取り組みです。区内の農家有志で食農教育のNPO「畑の教室」を立ち上げ、練馬大根を育てる小学校の体験授業を受け入れたり、中学校の職業体験に協力したり。一昨年からはハウスの片隅で1頭の豚を飼い、7カ月肥育した後に「謝肉祭」を開き、みんなでその「命をいただく」という取り組みまで始めました。
苦労して練馬大根を育てた白石農園は、子どもたちにとってはまさに「畑の教室」。その後もよく畑に遊びに来ます。「大根抜くの、すごく大変だったよ! でもおいしかった!」と、目をキラキラさせながら話してくれました。
「日本で農業を続けていくには、消費者の理解がどうしても必要です。都市農業は農業体験にしても、直売所にしても、消費者と生産者が直接の関係を結ぶことができます。農業の理解者を増やすことは、私たち都市で農業をする者の大きな責務だと思うのです」と、白石さんは言います。
遊びに来た小学生と“練馬大根談義”する白石さん |
3人の子どもたちと農作業に汗を流していた30代の女性は、「3年前に練馬に引っ越してきて、住宅街の中に畑があることが新鮮でした。子どもたちも畑でできた野菜が大好きです。食料自給率が下がっているのも心配だし、こういう都会の農業も残してほしいですね」と、笑顔で話してくれました。
[2009年10月]
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