「農民」記事データベース20090824-890-07

農民連ふるさとネットワーク

農民連の米に熱い期待

米屋さんと生産者をつなぐ交流会
大阪会場

関連/元気いっぱい大阪の米屋さん


産地の最新情報を聞けた
新しい米探しに手ごたえ

 農民連ふるさとネットワークは8月9日、大阪市港区の港近隣センターで「米屋さんと生産者をつなぐ交流会(大阪会場)」を開催しました。今年で7回目を迎える交流会には、大阪府や近県の米屋さん、卸業者のほか、全国から集まった農民連の米生産者ら100人を超える人たちが参加。和やかな雰囲気のうちに、今年の作況などについて親しく情報交換しました。

 こだわりの米を

 主催者を代表してあいさつした農民連の村尻勝信副会長は、最近の米価急落について「備蓄ルールを守らない政府に最大の責任がある」と指摘。農民連が農水省交渉や自治体、農協との懇談などの行動を広げ、「備蓄米を緊急に買い上げろ」の世論が大きくなっていることを紹介し、「国民の主食、米の安定供給のために力を合わせましょう」と呼びかけました。

 米卸業者に続いて大阪府米穀小売商業組合(大米商、約1000軒が加入)の道満正義理事長があいさつ。「良質で個性的な米は必ずお客さんがつき、リピーターになる。農民連のみなさんには、これからもこだわりの米を提供してほしい」と期待を述べました。

 全農林大阪府協議会の湯川喜朗委員長も、「米の安心・安全のために全力をあげたい」と連帯のあいさつをしました。

 生育状況を報告

 生産者側からは、各地方の代表が稲の生育状況を報告。日照不足で生育が遅れ、一部では不稔(ふねん)やイモチ病が発生しているなど、不順な天候の悪影響を指摘する発言が相次いだものの、一方で、「夜間の気温が低いので食味には期待できる」などの発言もありました。米屋さんたちは、資料に目を通しながら熱心にメモを取っていました。

 米屋さんの側からは、米安米穀店の蔵井謙一さんが「『あすなろの会』という米屋のグループをつくって農民連の米を扱っている。多くの同業者に仲間に加わってほしい」と訴え。また、農民連に対しても、「スーパーなどに負けない商品に育てるために、規格の統一化など、いっそうの努力をお願いしたい」と注文を寄せました。

資料を見ながら産地の報告を聞く米屋さんたち

 新米の試食も

 その後の自由交流では、米屋さんたちは、日ごろ扱っている産地や、新たに興味を持った産地の代表に声をかけ、今年の取り組みや作柄などを詳しく尋ねていました。また、各産地が持参した新米や農産加工品の展示も注目を集め、試食する姿も多く見られました。

 今年で4回目の参加という氏丸重之さん(尼崎市・ウジマル米穀店)は、「産地の最新情報をじかに聞けるので毎年きている。国産大豆などの商品も店で扱ってみたい」と積極的。「ホームページなどで日常的に情報が得られると、もっとありがたい」と期待を寄せます。

 また、2回目の参加の常本泰志さん(米の専門店つねもと)は、「量販店とは違う、新しいものを探している。今年は千葉の“ふさこがね”に興味をもった」と手ごたえを語っていました。


元気いっぱい大阪の米屋さん

店頭では玄米で販売、そのつど精米します 蔵井さん(右)は新しい試みに次々チャレンジしています 近所のスーパーにも出店、こだわりの米が並びます
岡本の米屋
岡本泰寛さん
米安米穀店
蔵井謙一さん
はたの米穀販売(株)
道満正義さん
 大阪市城東区の「岡本の米屋」は、福島県会津農民連の無農薬米などを扱ってきましたが、今年、初めて茨城農民連の無農薬米を仕入れました。大阪ではなじみがうすい関東の米ですが、お客さんの評判がよければ続けて扱いたいたいと考えています。
 あいさつに訪れた茨城県南農民組合の山口徹さんに、「産地や生産者の顔が見えることが大切」と、生産者の写真入りのシールを作って送るよう依頼しました。
 「あすなろの会」の蔵井さんは、大阪市都島区で米安米穀店を営み、早くから農民連の米を扱ってきました。「“提案できる米屋”をめざしていろいろな米を探していて、農民連に出会いました」と言います。
 いまは会の仲間も15軒ほどに増え、産地との提携に力を注いでいます。今年は滋賀農民連の農家と協力して、お客さんの「田植え体験学習」を実施。多くの家族連れが参加して、田植えと農家の手料理を楽しみました。
 大米商理事長の道満さんは、茨木市で「はたの米穀販売(株)」を営んでいます。農民連の米は、卸業者の紹介で京都の米を扱ったのが最初。その後、福島、滋賀、奈良などの米も扱っています。
 「農民連は組織がしっかりしていて、生産者の情報をお客さんにきちんと説明できるので、安心して販売できます」と言います。「米袋のデザインを統一するとか、ブランドづくりも意識してくれるといいですね」と期待を語りました。

(新聞「農民」2009.8.24付)
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2009年8月

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