「農民」記事データベース20090817-889-01

米価暴落

すぐ備蓄米買い上げよ
生活できる米価をぜひ

怒りのコブシあげ抗議


農民連・食健連 中央統一行動

 農民連と全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)はお盆前の8月5日、「米価下落対策要求・怒りの中央統一行動」を行いました。宮崎で前年比1600円減、高知で2500円と、超早場米の生産者価格が軒並み下落するなか、「このままでは秋は迎えられない。すぐに政府備蓄米をルール通り買い上げよ。生産費を保障せよ」の怒りの要求を掲げて、全国から農家ら350人が東京・霞が関に集結。国公労連や憲法会議など30の団体が支援にかけつけました。

 俵みこし先頭に包囲パレード

 主催者あいさつをした農民連の白石淳一会長は「7月31日に開催された政府の食料・農業・農村政策審議会食糧部会の資料によれば、6月末の米の民間在庫は前年比で51万トン増え、逆に政府在庫は13万トン減の86万トンになった」と指摘。「政府が自ら決めた100万トンの備蓄水準を守らず、民間在庫は膨らんでいる。暴落は、政府が引き金を引いたものだ。満身の怒りを込めて抗議する」と批判しました。さらに食糧部会で出席委員から「備蓄米を買い上げよ」の声があがったことを紹介。「全国各地の運動が世論を動かしている。さらに運動を強め、暴落対策をとらせよう」と呼びかけました。

霞が関に農民と労働者の声がとどろいた

 東京国家公務員・独立行政法人労働組合共闘会議の植松隆行事務局長は「米農家179円は労働者の最低賃金の4分の1。労働者も農家もこれでは生活できない。生活防衛のために総選挙をたたかおう」と訴えました。

 参加者は、農水省包囲パレードを行い、米俵みこしを先頭に、“怒”のむしろ旗を掲げ、「小〇」(困る)の鉢巻き姿で歩くなど、思い思いのパフォーマンスで、農水省に怒りをぶつけました。

怒りをこめて“買いたたきノー!”

総選挙で生産者の声が通る国会へ

 熱気にあふれた農水省との交渉

 150人で会場が熱気にあふれた農水省との交渉では、「買い上げをただちに行え」の声に、最後まで抵抗する同省の姿勢に怒りが集中しました。総合食料局の村井正親計画課長が、「秋の作況や生産調整の取り組み状況を踏まえながら適切に対応する」と述べたのにたいし、農民連は「政府の基本方針のなかで、『国が行う備蓄は、6月末時点での在庫量100万トン程度を適正水準として、保有します』と明記しているにもかかわらず、政府備蓄米は86万トン。100万トンの数字を投げ捨てている」と批判しました。

 さらに「86万トンが国民に不安を与えていると思わない」と開き直る農水省にたいし、農民連は「売ったらその分だけ買うのが本来の姿。まず100万トンを買い入れ、その後の作況をみて対応すべきだ」とただしました。農水省は「08年産の買い入れについては、時期を逸した」と述べ、自らの失政を認めました。

 米農家から「イモチ病が発生して大変な状況。生活できる米価にしてほしい」との切実な意見が出され、さらに農民連が「買入時期は今が一番タイムリーだ。秋では遅い」と指摘。村井課長が「みなさんの要望を肝に銘じ、下落のための対策をとりたい」と答えざるをえないほど、農水省は追い詰められました。

150人の交渉団が農水省を追いつめた

 最後に行われた総括集会で、農民連の笹渡義夫事務局長は「買い入れさせるもう一歩のところまで押し込んでいる。米価問題で、候補者を訪問し、買い入れを公約に掲げさせよう。総選挙で力関係を変え、われわれの要求が通る国会に変えよう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2009.8.17付)
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2009年8月

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