「農民」記事データベース20090810-888-03

土石流が出穂直後の水田襲う

被害農民“早期復旧に支援を”

山口・豪雨


 7月21日の記録的な大雨による土石流で多数の犠牲者が出ている山口県。防府市に隣接する山口市小鯖(おさば)地区でも土石流が発生し、出穂したばかりの水田が土砂で埋まった農家では、早期復旧を求めています。

 農民組合員で81アールの水田を夫婦で営む原田咲子さん(59)の家の周りは、棚田が多い。大量の雨で水田を越えた水は川のように家に流れ込み、床下浸水したほか、水田沿いの山が崩れ土砂が水田をおおいました。原田さんは「ごう音とともに山が崩れて水田沿いの川がせきとめられ、30アールの水田が土砂で埋まった。個人負担による復旧は困難なため、行政の支援を」と、山崩れの恐さを話しています。

 その後も断続的に雨が降り、水田は倒れた樹木と土砂、人間の頭くらいの大きさの石が転がり、被害が拡大する恐れもあります。土砂の除去は機械でないとできないため、復旧には経費もかかります。被災した農家に負担がかからないよう、激甚災害の適用など国、県、市によるきめ細かな支援が求められます。

山が崩れて土砂が水田をおおった=山口市小鯖地区

 また、農民組合員で直売所に新鮮な野菜を出荷する山根イマ子さん(79)は「河川が決壊し、農道沿いの路肩が約30メートルにわたって崩れ、5アールの水田が土砂で埋まった。前にも崩れたことがあり、今度はコンクリートで強固に復旧するよう行政に求めたい」と話しています。この集落では、1967年の大干ばつの時に設置したかんがい用のポンプも水につかって故障してしまい、早い復旧が求められています。

(山口県農民連 世良輝久)

(新聞「農民」2009.8.10付)
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2009年8月

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