「農民」記事データベース20090803-887-03

米価暴落 緊急対策で要請相次ぐ


山 形

県農民連 取り組み急ピッチ
全自治体・農協訪問を計画

 山形県農民連は、花烏賊義廣会長と事務局長の洞口昇一が7月15日、山形県知事あて要請書を村上健一農林水産部次長に手渡し、懇談しました。村上次長は、「備蓄米の買い入れは、そのとおり」と述べました。

 その後、県農協中央会を訪問。会長あて要請書を吉田修一常務に手渡し、懇談しました。吉田常務は、「要請の趣旨のとおりで、みなさんと思いは同じです。農家の所得確保が必要で、みなさんの要請も参考にしながら行動していきたい」と語りました。

 21日には、置賜農民連が3市5町と山形おきたま農協(広域)を、平田啓一組合長と小林茂樹県連副会長が2班に分かれて訪問。「政府に計画通り備蓄米買入れを求める賛同署名」に、白鷹町の佐藤誠七町長、山形おきたま農協の鈴木菊雄理事長、米沢市から署名が寄せられました。

 山形地方農民連は、21、22の両日、山形市と3農協(山形農協、山形市農協、天童市農協)を訪問し、組合長などに要請しました。山形農協では、応対した営農経済部の荒井三代志部長が「10万トンの政府買い入れでも市場は引き締まる」と語り、「(農民連とは)今までも協力できるところはしてきたので、今後ともよろしくお願いします」と話しました。

山形農協で懇談する山形地方農民連の役員ら(右側)

 県農民連では、8月5日の「怒りの中央行動」に向け、県内すべての自治体、農協への要請行動を計画しています。

(洞口昇一)


新 潟

農民連が県農協中央会と懇談
“今後も政府要請する” 農協側が約束

 新潟県農民連は7月16日、大暴落している米価問題をめぐり新潟県農協中央会と懇談しました。

 農民連の要請内容は、(1)備蓄米100万トンを維持するため買い入れを行う(2)大手量販店の「買いたたき」をやめさせる(3)米の備蓄水準引き上げと大豆などの穀物備蓄制度の創設(4)「米改革」の抜本的な転換と安定した流通システムの確立。

 冒頭で、農民連の町田拡会長は、「高い米も安い米も動かない状況にあり、このままでは新米への影響も避けられない。緊急に政府へ備蓄米100万トン水準まで買い上げるよう農協としても要請してほしい」とあいさつ。

 対応した重野徳夫専務と近藤功農業対策部長らは「全農系の米が魚沼コシヒカリも含めて不完売となったが、契約は終了している。備蓄制度や輸入米(ミニマムアクセス米)、米粉などの主食用以外での対策を見直すよう、政府へ要請している」と述べ、農民連の要請内容と共通の立場だと話しました。

 また今井健副会長は、米の生産費が60キロあたり1万6412円、労賃は時給にすると179円で、生産者米価が生産費を大幅に割り込んでいる状況にあり、「とても再生産できる状況にない。政府は備蓄米を売りっぱなしで、今年に入ってから買い入れは実施していない。いま買い入れを行えば需給が引き締まる可能性があり、緊急に政府へ声をあげてほしい」と訴えました。

 県農協中央会側は、米価下落が県内の農業に大きく影響している事実を踏まえて、今後も政府へ要請していくことを約束。また、09年産米の価格については、1万6000円台(一般コシ1等)めざし、1万4000円の仮渡金は確保できるよう努力していくと説明しました。

(新潟県農民連 鈴木亮)

(新聞「農民」2009.8.3付)
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2009年8月

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