「農民」記事データベース20090803-887-01

農民連ふるさとネットワーク第6回総会

予想を超える米価下落 新たな局面に

各地の取り組み 活発な討論

 農民連ふるさとネットワークは7月23日、東京・豊島区のラパスホールで第6回総会を開き、49の加盟団体をはじめ32都道府県から92人が参加しました。


暴落対策の実現に全力

準産直米の流れさらに太く

 総会では、森谷精事務局長が、理事会から提案された4つの議案(08年度事業報告及び決算報告、09年度の事業計画と予算案)を報告。17人が各地の取り組みなどを発言し、すべての議案が全会一致で採択されました。

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 開会あいさつで堂前貢代表は「ふるさとネットワークを結成して6年たち、米の準産直など多くの面で前進してきた。しかしいま、ほとんどの農家は肥料などの生産資材が高騰して、今年の米価はよもや下がるなどとは誰も思っていない。ところが、生産費がなんら考慮されずに市場原理で決められ、宮崎などの超早場米の価格は下落している。家族経営でがんばっている農家を応援し希望を与えるために、ふるさとネットワークは全力をあげる決意だ」と述べ、議案の内容をさらに豊かにするために活発な討論を呼びかけました。

総選挙 自公政権は退場!! キッパリ審判を

 また、農民連の白石淳一会長は連帯あいさつの中で、米価の暴落問題に触れ「政府に備蓄米を買い上げさせるなど、当面の緊急対策の実現に全力をあげるとともに、その大もとにある政府の『米改革』をやめさせるために、今度の総選挙では自民・公明両党の政権に退場をねがうキッパリとした審判を下そう」と訴えました。

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 青森、宮城、福島など米どころを中心に、各地で米価の緊急対策を求めて自治体や農協への訪問・要請の取り組みが報告されました。山形・庄内産直センターの菅井巌さんは、「このままでは秋を迎えられない」と地域のすべての自治体と農協を訪問し、「7月13日に開いた“怒りの総決起集会”には、米産直で結びついている横浜市の保育園からも『生産者と消費者の願いはひとつ』と駆けつけてくれた」と寄せ書きをかざして発言し、「町長や農協組合長など、地域の主だった有力者が呼びかけ人となって開かれる8月1日の『市民大集会』を成功させ、この勢いを総選挙にぶつけたい」と決意を述べました。

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山形・庄内産直センターの菅井巌さん

 また、ふるさとネットワークの横山昭三事務局次長は「超早場米の価格は予想を超える下落で、あらたな局面に入った。農水省が備蓄米を買い上げようとしない理由も崩れつつある。8月5日の『怒りの中央行動』を成功させ対策をとらせよう。準産直米をおおいに増やし、米流通の面でも力をつけていきたい」と発言しました。

 青森県農民連の宮川れい子さんは、「米の準産直が年々広がっている」と報告。「生産者と緊密に連絡を取って信頼を深め、その生産者がさらに口コミで『農民連はいいよ』と広げており、組合員の拡大にもつなげていきたい。米屋さんとの交流会にも何人かが参加したいと言っており、これからもがんばっていきたい」と抱負を述べました。

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 千葉・多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんは、「学校給食を通じた食育の動きに注目したい」と、東京・品川区のある小学校との交流を紹介。生産者が“トウモロコシの木”を教材にして授業を行ったことや、給食の野菜に減農薬の特別栽培品を注文してくることなど、「給食での交流が、“日本の農業を守る小さな応援団”づくりにつながっている」と述べました。

 新婦人産直では、福島県農民連の佐々木健洋さんが、大阪での取り組みのなかで「食と地球を守る産直」をもっと身近に感じてもらおうと、フードマイレージなど5つのパネルを作製して訴えたことを紹介。「参加したお母さんたちから『わかりやすかった』『よくできているのでパネルがほしい』など、たいへん好評だった」と述べました。

福島県農民連の佐々木健洋さん(右から2人目)

 11月17日に「第2回大見本市」が開かれます。今回のスローガンは「日本列島3000キロ、産地がまるごとやってくる」。ふるさとネットワーク副代表の根本敬さんは、「大見本市は、農民の心意気を示す場だ。“産地まるごと”には、来場者がそれぞれの農産物が生産された現場に行ってみたい、どうやって作られているのかみてみたいという思いが込められている。展示などで工夫を凝らし、なんとしても成功させよう」と訴えました。

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 来賓として、日本共産党農漁民局長の有坂哲夫さん、新日本婦人の会副会長の玉田恵さん、全国食健連事務局長の坂口正明さんからあいさつがあり、日本共産党の紙智子参院議員をはじめ12の団体からメッセージが寄せられました。


怒りの8・5農水省包囲デモ
米価非常事態 ただちに下落対策を行え!
8月5日(水)午前11時45分、農水省前に集まりましょう

日本列島3000キロ、産地がまるごとやってくる
第2回大見本市2009
11月17日(火) 東京・大田区産業プラザ

(新聞「農民」2009.8.3付)
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2009年8月

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