「農民」記事データベース20090713-884-11

旬の味


「弁当の日」とは、予算削減で学校給食を廃止することかと誤解した。それは、香川県綾川町立滝宮小学校の竹下和男校長(当時)が推奨する取り組みだ▼やり方は、献立、買い出し、調理、弁当詰め、片付けをすべて子ども自身が行うこと。おとなは手伝わない、実施は5、6年生だけ、年間5回の3原則でスタートし、弁当作りの知識と技術は、家庭科の授業で学校が責任を持って教える。今では全国各地の小学校から大学にまで広がっている▼子どもに包丁も持たせない家庭が多いなかで、食事をつくる体験を通じて自立心を促すとともに、「食」を通して家族の絆をつなぎ、子どもたちの心の空腹を満たす取り組みとして、共感する声が多い▼子どもたちは、自然と「農」を身近に感じ、給食の食べ残しもほとんどないという。竹下先生は卒業生に「旬の野菜や魚の色彩・香り・触感を味わい楽しめた人は、心豊かな人」との言葉を贈っている。地産地消と自給率向上の鍵は、子どもたちが握っているのかもしれない。

(山)

(新聞「農民」2009.7.13付)
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2009年7月

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