体細胞クローン牛豚は“安全”食品安全委が最終評価
農水省は出荷自粛を継続食品安全委員会(見上彪委員長)は6月25日、体細胞クローン技術を利用した牛・豚とその子孫から作った食品は「従来の技術によって、牛や豚から作った食品と同等に安全」とする最終評価をまとめ、厚生労働省に答申しました。一方、農水省は26日、「安全宣言」の答申にかかわらず、今後も研究機関内で処分し、引き続き食品として流通させない方針を決めました。「現行の水準では、体細胞クローン家畜を作出する生産率が極めて低く、商業生産への利用は見込まれない状況」であり、「生産率の向上に向けて今後も研究開発が必要であり、また、さらなる科学的な知見の収集及び消費者等への情報提供も必要」だと指摘。出荷自粛は継続します。 また農水省は30日、「家畜クローン技術の現状について」とする報告をまとめました。これによれば、体細胞クローン牛は、研究開始から2009年3月31日までに571頭が出生し、そのうち死産や生後直後の死亡、病死等が314頭(表1)、体細胞クローン豚については376頭が出生し、そのうち死産、病死等が220頭(表2)と、いずれも過半数を占めています。死産率も高く、出生後も異常が多くみられる現状は依然として変わっていません。
安全性評価は認められない食の安全・監視市民委、NPO日消連が抗議文食の安全・監視市民委員会(神山美智子代表)とNPO法人日本消費者連盟(富山洋子代表運営委員)は26日、食品安全委員会の見上彪委員長にあてて、「体細胞クローン家畜由来食品の安全性評価は認められない」とする抗議文を送付しました。抗議文は「この問題に関する意見交換会では、私たちは科学的に欠陥のある評価書である、と繰り返し主張し、今年4月までに提出されたパブリックコメント340件においても国民の8割が反対を表明したにもかかわらず、そうした慎重な意見を無視する今回の暴挙は許されない」と表明。「直ちにこの評価書を撤回し、安全性評価をやり直す」よう求めています。
(新聞「農民」2009.7.13付)
|
[2009年7月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2009, 農民運動全国連合会