「農民」記事データベース20090706-883-11

旬の味


 人口100万人都市の隣り町で、革新懇主催のシンポジウム「なぜ、いま工業団地化構想か」が開かれ、パネリストの一人として参加した▼自治体の開発理由は、高齢化する町に若者を迎えられ、財政難のなか税収も増えるというほかに、厳しい経営のもとでいつまでも農家を農業に従事させるのはかわいそうだからだという。この町には、優良農地が400ヘクタールも残っており、そのうち50ヘクタールをつぶして工業団地化しようとしている▼水田は連作障害もなく、反収も多く、年に4500人分の米を生産し供給する。ダムの機能や都市型水害を防止する役割、地下水のかん養、生き物の生態系を維持する機能も有し、何より住民に潤いのある空間を提供している▼企業立地奨励金制度などさまざまな優遇措置を受けて企業が参入すれば、地域が元気になるとは、とんでもない言い草だ。日本でも世界でも食糧増産が大問題になっているときに、かけがいのない優良農地をつぶすのか。こんな農政はおおもとからチェンジしよう。

(弥)

(新聞「農民」2009.7.6付)
ライン

2009年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2009, 農民運動全国連合会