零細な生産・出荷者のための
仲卸制度が破壊される
学習シンポを開く
関連/各党の態度
官民地域行動実行委員会、全労連・全国一般東京地本などは6月20日、都内で「国民のための卸売制度を考える学習シンポジウム」を開きました。
農業・農協問題研究所事務局長の三國英実・広島大学名誉教授が基調講演。築地市場移転のねらいについて「外国資本の導入で、海外からの大量の生鮮食料品輸入を前提とする大都市拠点型卸売市場の建設をめざしたもの」だと批判。「巨大な量販店・外食産業に対応する物流施設整備によって、零細な生産・出荷者と小売業者・料理店を結ぶ仲卸制度が破壊される」と述べ、「豊洲新市場は『首都圏の基幹市場』との位置付けだが、そこに都民の税金をつぎ込むのはどうか」と警鐘を鳴らしました。
討論では、東京中央卸売市場労働組合の羽根川信執行委員長が「今回の移転問題は、規制緩和政策に基づく卸売市場制度見直しの動きそのものだ」と強調。公共市場を私的利潤追求の場に変え、卸会社の統合・合併を促進し、中小仲卸業者の切り捨て、多国籍企業化した巨大食品流通センターづくりをめざしたものだと指摘しました。
農民連の齋藤敏之常任委員は「卸売市場は、市場のもつ公的機能を生かし、国民・都民の目線に立った多様な流通の共存を支援できる食品流通の拠点であるべきだ」と指摘。「各地で進む市場を含めた地産地消の取り組みは、そこに出荷する農民の再生産を保障する価格を実現することで、農家の生産意欲が高まる。そんな流通に作り変える運動を強めたい」と表明しました。
自民・民主・公明 中止請願に反対
石原都知事が移転計画を明らかにした2001年、都議会の各党は「積極的に豊洲への移転を進める必要がある」(自民党)、「一日も早く整備がなされるよう努力されたい」(公明党)などと賛同し、民主党と生活者ネットも容認でした。
09年には移転計画の中止を求める請願にたいして、自民、民主、公明が反対、日本共産党、生活者ネットは採択を求めました。
日本共産党は「豊洲への移転は中止し、現在地の再整備を基本に市場関係者の声を聞くこと」と主張し、市場関係者、地元住民らと力を合わせて、移転反対運動に一貫して取り組んでいます。
(新聞「農民」2009.7.6付)
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