「農民」記事データベース20090706-883-07

宮沢賢治のふるさとで
食と農守る知恵学ぼう

新潟県食健連が岩手ツアー

関連/不耕起栽培・草生栽培学ぶ


集落営農「原体(はらたい)ファーム」、
農民連女性部しょうゆ作りを見学

20090706_3_1.jpg20090706_3_1.jpg 「にいがた食と農と健康、教育のネットワーク」(新潟食健連)は6月15日〜16日、“宮沢賢治のふるさとで食と農を守る知恵を学ぼう”と、岩手視察ツアーを行ないました。中型バスを貸し切って18人が参加しました。

 まず、米粉パンの製造・販売や農業機械の共同利用など、集落を守る取り組みでがんばっている「原体ファーム」(奥州市江刺区)を視察。代表の及川烈さんは「1994年の基盤整備をきっかけに10年後の集落をどうしていくかを考え、2002年に農業法人を設立。当時、みんなの同意を得ることは難しかったが、生活と自然、人間の3つの環境を良くすることを基本に『住める農村』づくりを始めた。“金がないなら知恵を出せ”と中古の機械やハウスを探して共同利用し、いまでは参加する農家も10戸増え、若い世代も地域に定着している。米粉パンは予想より好評で、ブルーベリーもジャムに加工して販売している」と説明してくれました。そして最後に「これで満足せず、時代とともに進化していくことも忘れてはならない」と述べ、参加者のなかに大きな共感が広がりました。

 次に、岩手県農民連女性部が取り組んでいる“手作りしょうゆ”見学に、伊藤庚子さんの「工房地あぶら」(一関市大東町)を訪ねました。ナタネ油の工房では、代表の小野寺さんが工程を説明してくれました。そのなかで、搾りカスを田んぼに散布して除草対策にしているという話には、農家も興味深く聞いていました。

 しょうゆ作りでは、伊藤さんから工程の説明を受けました(写真)。出来上がるのが2年〜2年半と、手間も時間もかかるしょうゆ作りの大変さに感心。しょうゆのもろみとナタネ油を合わせた“もろドレ”をつけて野菜や豆腐を試食し、「おいしい」「懐かしい味」と舌鼓を打ちました。

 参加者から「地元でも何とかしょうゆ作りを検討したい」「いろんなツアーがあるけど、食や農を学べて参加してよかった」「また企画してほしい」などの声が聞かれ、とても有意義な視察ツアーとなりました。

(新潟県農民連 鈴木亮)


不耕起栽培・草生栽培学ぶ

茨城ネットが第4回青年交流会

 茨城県内7つの産直産地で構成しているふるさと産直ネットワークいばらきは6月17日、水戸市(旧内原町)にある鯉渕学園農業栄養専門学校で、第4回青年交流会を開催し、熟年のベテラン生産者も含め33人が集いました。

 青年交流会は、昨年4月に協和施設園芸協同組合でのキュウリやトマト栽培などの見学交流から始まり、2回目は8月に霞ヶ浦有機センターでレンコンや梨栽培と加工場見学、3回目は今年2月に鹿行産直センターで水菜や長いも栽培の見学交流と、回を重ねてきました。

 今回は、4月に開催した「土づくり&農薬学習会」のなかで、鯉渕学園の涌井義郎さんから紹介があったトマトの不耕起栽培と草生栽培に関心が集まり、計画しました。

エンバクを間作し、刈り敷きする草生栽培

 涌井さんの案内で、さまざまな実験ほ場を見学。次々と質問が飛び交い、活発な研修となりました。不耕起栽培、草生栽培の最大のねらいは、省力化にあります。手間と肥料や資材などの経費をできる限りかけずに作物を栽培しようというものです。よく耕された裸の農地は、温度と水分の変化が激しく風化を早め、地力を減退させるうえ、土壌内外の生物にとっては環境が悪く住みにくいのですが、不耕起栽培、草生栽培の農地は、さまざまな草を生やすことで地力を増進させ、耕起していないにもかかわらず、土が柔らかいのです。参加者は驚き関心しながら、「もっと勉強したい」「少しずつでも取り入れたい」など意欲的な感想が出され、有意義な交流会となりました。

(ふるさと産直ネットワークいばらき 奥貫定男)

(新聞「農民」2009.7.6付)
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2009年7月

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