「農民」記事データベース20090615-880-09

旬の味


 これまでも農地法改悪は、執拗(しつよう)に行われてきた。しかし、今度の農地法「改正」案によって、農民を農地から切り離し、大企業による利益優先の農業が、いよいよ進められる▼これに対して農民連は、いち早く反対に立ち上がった。この「改正」案は来るべき総選挙において、農村の最大の争点にしなければならない。これが政策として実施されれば、農業委員会も不要になり、数年後には農民の9割は派遣農業労働者になってしまうだろう。農業衰退の原因は農地法にあるのでも、農民にあるのでもない。財界本位の政治にある。その政治を選挙で変えようではないか▼小林多喜二が小説「不在地主」を書いたのは80年前だ。政府の政策として入植し、原野を開墾した農民の農地が、都市に住む不在地主(資本家)によって買いたたかれ、小作人(農業労働者)になり、村に駐在する管理人に酷使される▼資本の論理によって貫徹されているものは、もうけだ。その残酷な記憶を、村の老人たちはまだ忘れてはいない。

(新)

(新聞「農民」2009.6.15付)
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2009年6月

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