「農民」記事データベース20090601-878-07

気軽に撮って上手になろう

楽しい写真教室

写真家 亀井 正樹


(4)集会、会議などの撮影

 まず全体を

 集会や大会、会議などの写真は、まず全体の様子が把握できる全景写真を必ず撮っておきます。俯瞰(ふかん)できる高い位置からなら、参加者のボリューム感が得られます。檀上が最もにぎやかになる場面こそがシャッターチャンスです。

 機関紙に写真原稿を送る場合、掲載紙面のレイアウトを考えて、後方側から壇上に向かって正面、左、右の3方向から撮っておきましょう。さらに、参加した人たちの意気込みが伝わるようなアップの写真も、前方から撮影しておけば理想的です。紙面に掲載されれば、自分たちの運動を多くの仲間たちと共有することができます。

 暗い場所での工夫

 民主団体や労組の行動は、必ずしも昼間の屋外とは限りません。むしろ夜間の屋外や薄暗いホールなど、撮影には困難な条件の場合が多いと思います。このようなときに全景写真を撮ると、照明に照らされた檀上の人物などが露出オーバーになることがあります。明るい部分と暗い部分が画面内に共存するときに起こりやすいもので、壇上の露出を優先させるよう構図を切り詰めてゆくと適度な状態に緩和されていきます。

 高度な方法としては、「シャッター速度優先モード」か「マニュアルモード」を選択して、壇上部分が適度に再現されるようなシャッター速度を設定します。手前の暗い部分はストロボで照らしましょう。カメラの内臓ストロボよりは外付けのストロボが使いやすく、照射角度をやや上方へ向けて発光させます。強い光は遠くへ飛ばし、手前は「袖の光」と呼ばれる弱い光で補うことで、見た目に近い自然な状態を再現させます。

高位置から俯瞰(ふかん)することで参加者のボリューム感が得られます。外付けストロボを併用し、照射角度をやや上方へ向けて撮りました。(ISO400、シャッター速度1/15秒、絞りf4)

 操作設定は会場の条件によって千差万別です。経験を重ねてマスターしていきます。

(つづく)

(新聞「農民」2009.6.1付)
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2009年6月

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