「農民」記事データベース20090525-877-15

旬の味


 150ヘクタールにも及ぶわが集落の田植えは、一週間で一気に進んだ。4月から5月の連休にかけて好天だったことや農家の事情によるのだろう。例年通りの稲作スケジュールでいけば、おれが最後になりそうだ▼それにしても、耕作放棄の田んぼが1枚もないというのは、見事なものだ。稲作りは正月のこたつの中から始まり、八十八度の手がかかる文化だ。西方に雪をかぶった舟形山を見ながら、自然と一体となって営まれている。田植えともなれば、こんなにも人がいたのかと驚く。見なれない“農民”が田んぼに集まってくる。稲作が地域社会を支えているんだな。稲作が日本人の国民性であるち密さや勤勉さをつちかってきたんだな▼そういえばいつごろからコメ作りというようになったのか。効率性が言われ、“食糧”という文字も“食料”になった。農政のわるさと関係があるのだろうか。いずれにせよ、田んぼも農民も元気だ。おれはといえば「この秋は雨か嵐か知らねども、今日の勤の代を掻(か)くなり」

(弥)

(新聞「農民」2009.5.25付)
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2009年5月

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