加速する温暖化に防止ルールを環境団体・研究家行政担当者ら700人 地救ふぉーらむ in 高野山
「加速する温暖化、まだ間に合う! コペンハーゲンで決めよう“地救”のルール」――4月25、26の両日、和歌山県高野山で「地救ふぉーらむ in 高野山」が開かれました。ふぉーらむには、全国からのべ700人の市民が集ったほか、環境団体、環境活動家、研究者、行政担当者が広範に参加し、地球温暖化防止について熱い討論を繰り広げました。 1日目は、メルビン・デンマーク駐日大使、気候ネットワーク代表の浅岡美恵さん、アメリカ気候行動ネットワークのアンジェラ・アンダーソンさんの基調講演に続いて、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事の早川光俊さんをコーディネーターに、日本の中期削減目標の問題を中心にしたパネルディスカッションが行われました。 パネリストとして、政府の中期目標検討委員会の委員を務める浜中裕徳さん、西岡秀三さんが出席。「今求められているのは、低炭素社会へ向けた産業構造の大転換だ。政治が明確な方向と政策をとれば、社会は変えられる」(西岡さん)、「産業界も一枚岩ではない。高炭素経済にしがみつく一部の産業が、多様な意見を抑えている」(浜中さん)と述べました。 2日目の「海、山、そして田んぼ、温暖化と生命の源を考える」分科会では、和歌山県農民連・紀ノ川農協組合長の宇田篤弘さんが報告。温暖化が柿やミカン栽培にどのように影響を与えているかを紹介し、「米の減反と輸入自由化、農薬や化学肥料の多用、水路のコンクリート化などが、豊かだった農村の生物多様性を壊している。農業・農村の持続可能性を守ることが、温暖化の防止につながる」と訴えました。 中期目標決定を求めるアピール採択ふぉーらむは最後に、「日本政府が、将来世代への責任を果たすに十分な中期目標を決定し、さらに実効性を担保する法制度を早急に整備するよう、強く求め」るという「高野山アピール」を満場の拍手で採択し、閉幕しました。
STOP温暖化の運動さらに公害地球懇が総会 農業への悪影響も報告農民連が団体加盟している公害・地球環境問題懇談会(公害地球懇)は5月11日、東京都内で総会を開き、農民連、全労連、新日本婦人の会、公害運動などの団体の代表者、個人など50人が参加。「STOP温暖化!」「公害・環境破壊を許さない」運動をさらに前進させようと確認しあいました。東京農工大学名誉教授でフェリス女学院大学前学長の本間慎さんが「地球温暖化の被害と農業・食糧問題」をテーマに講演。すでに温暖化が米や果樹の栽培に悪影響を与え始めていることを紹介し、今後、深刻化が懸念される問題として、病害虫の増加をあげました。 また「温暖化しても、農業不適地でも農業ができるようになるから、それほど心配ない」という説があることについて、「とんでもない。農業はそれぞれの風土にあった形で、長い歴史をかけて技術や育種が積み重ねられて発展するもの」と述べ、「温暖化で世界の穀倉地帯の水不足が懸念されている時代に、いつまでも外国の食糧に依存できない。低すぎる日本の食料自給率を今のうちに上げるべきだし、まず温暖化させない社会にしていかなければ」と強調しました。 総会では、今年12月にデンマーク・コペンハーゲンで開かれるCOP15の成功に向けた「STOP温暖化」の大運動や、気候保護法の制定を求める「MAKE the RULE」キャンペーンへの参加、「地球環境基金」助成を活用した地域での活動などの方針が提起されました。
(新聞「農民」2009.5.25付)
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[2009年5月]
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