「農民」記事データベース20090525-877-03

路上生活、所持金 わずか214円

東京「池袋派遣村」に相談続々

関連/農地法改悪案は日本農業をどこに導くか


画像 5月14日、東京・中池袋公園で「池袋派遣村」(三上満村長)が開かれ、仕事や住まいを失って困窮する人たちの相談にのりました。豊島区内の労働組合や民主団体で構成する実行委員会が主催したもので、120人のボランティアスタッフが参加。農民連本部からも10人が加わって、池袋駅前での宣伝などを担当しました。また、茨城県農民連・県南筑波農産センターから米が届けられ、おにぎりにしてふるまわれました。

 公園内の相談テントには、開村を待ちかねたかのように多数の相談者が訪れ、雇用をめぐるトラブルや住居の確保、健康問題などについて、弁護士や医師などの専門家スタッフが応対しました。労災で働けなくなり、治療や帰国旅費について相談する外国人労働者の姿も見られました。

 最初に相談に訪れた48歳の男性は、建設現場を渡り歩いて働いていましたが、2カ月ほど前から次の仕事が見つからなくなりました。会社の寮を出て、友人宅に身を寄せたりしたものの、最後は路上生活。この日の所持金は214円しかありませんでした。「駅前でチラシをもらっていたので、今日までに仕事が見つからなかったら相談しようと思っていた」といいます。スタッフの助言で生活保護を申請し、まずは住宅を確保することに。「早く仕事を探して、再出発したい」と静かに語りました。

 この日の行動で45人が相談に訪れ、20人を超える人が生活保護を申請しました。


農地法改悪案は日本農業をどこに導くか

いわて食・農ネットが学習会

 農地法改悪案が衆院農水委員会で審議・採決されるという緊迫したなか、いわて食・農・地域を守る県民運動ネットワークは4月28日、「農地法改正は日本農業をどこに導くか」をテーマに盛岡市で学習会を開催し、滝沢村農業委員会の農業委員や事務局職員も含め35人が参加しました。

 講師の岩手大学教授、横山英信さん(いわて食・農ネット副会長)は「農地法は、『農家が自分の農地を耕作する』という『耕作者主義』の理念に基づき、戦後の農業を支えてきた。改悪案はこの理念を投げ捨て、『適正・効率的利用主義』に変えようとしている。株式会社の農地利用を容認する中身だ」と批判。さらに「低い農産物価格のもとでは、農業参入した企業の株主からは『農地を農業以外に利用して利益を上げろ』という声が必ず強まる。株式会社では農業は守れない」と警鐘を鳴らしました。

(岩手県農民連 岡田現三)

(新聞「農民」2009.5.25付)
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2009年5月

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