「農民」記事データベース20090518-876-11

気軽に撮って上手になろう

楽しい写真教室

写真家 亀井正樹


(2)もう一歩踏み込んで

 良い写真をめざして

 「良い写真の撮り方って何ですか?」。このような質問を私は講座などで受けることがあります。

 人間性を否定する写真でない限り、一生懸命撮ったものは良い写真だと思います。しかし多くの人の心に留まる力作を誰もが撮りたいものです。そのためには、写真を通して撮影者自身が何を伝えたいのかを明確に写しだすことが大切です。

主題をはっきりと

 カメラのファインダーやモニターを見るとき、撮ろうとする対象には視線を集中させているのですが、その周囲を意外と見落としていることがあります。すると、余計なものがまわりに写り込んでしまい、主題がはっきりしない写真になってしまいます。

 このような問題を防ぐためにも、カメラを構えて「ここで良し!」と思った場所よりさらに一歩前に出てシャッターを押すくらいの習慣をつけてみてください。すると余計な背景が切り詰められ、撮りたい物が明確になって写しだされるはずです。

周囲の余計な背景が入りすぎたうえに、人物より新幹線が主役になってしまいました。撮影者はシャッターを押す前に、人物がカメラ側に寄るよう両者の対比を工夫する必要があります

 被写体とのコミュニケーション

 元気な保育園児たち本来の姿は、プロの写真家が撮るより現場の保育士さんの撮影する写真のほうが自然でいきいきしたものが多いと感じます。

 園児たちにとっては、日ごろから顔なじみの保育士さんを信頼しているので、カメラを向けられれば偽りなくすべてをさらけ出すことができるからです。

 被写体との心の距離感を縮めることで、相手の自然な感じをとらえることができます。そのためには撮る側と、撮られる側とのコミュニケーションも重要な要素です。

 シャッターを押す前に、ひと声掛けるだけでも、相手の気持ちは緩み、いい表情を見せてくれることを期待できます。

(つづく)

(新聞「農民」2009.5.18付)
ライン

2009年5月

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