農・農研新潟“農林中金はむしろ共犯者”金融危機下の農協を考える 緊急学習交流集会
「農林中金は被害者というよりむしろ共犯者」「アメリカの金融危機は日本が震源地」。カジノ金融資本の実像が、証券業界経験者から生々しく語られました。農業・農協問題研究所と同研究所新潟県支部は4月11日、共催で「金融危機下の農協を考える」緊急学習交流集会を開きました。 集会では、元野村證券労働組合委員長の滝沢豊秋氏が、「金融危機とこれからの日本経済」について報告。証券営業を担当していた滝沢氏は、今日の金融危機のしくみと実像をわかりやすく解明しました。特に、銀行による住宅、自動車、カードなどのローンが、「優良米も汚染米も混ぜ合わせた形で」証券化されて世界にばらまかれたことなど、歯止めのない金融バブル(詐欺商法)の実態を明らかにしました。そして、アメリカの自動車会社GMもトヨタも、自動車販売よりもローンで稼いでいたために、経営に大きく影響していることも強調され、本来は、経済の血液であるはずの金融が経済の主役になってしまったカジノ金融資本主義の姿が解明されました。 また新潟大学の青柳斉氏が、「金融危機と農協」について報告し、信用依存型経営の限界が営農指導や販売にも大きな影響をもたらしている実情を明らかにしました。
これらの報告に続いて、県内の農協における実情が各地から出され、農家組合員へのしわ寄せを防ぐための取り組みを強化していくことなどが話し合われました。
導水事業を中止し、水源開発から撤退を茨城 “霞ヶ浦元気シンポ”に300人4月18日、茨城県土浦市で「霞ヶ浦元気シンポジウム」が開かれ、約300人が参加しました。基調講演を行った水資源開発問題全国連絡会共同代表の島津暉之氏は、「霞ヶ浦と利根川を結ぶ利根導水路は、試験通水でシジミの大量へい死が起こった後、5日間しか通水していない。霞ヶ浦導水事業の3つの目的(都市用水開発、利根川と那珂川への渇水補給、霞ヶ浦の浄化)はすべて虚構であり、水源開発から撤退するべきだ」と話しました。 茨城大学名誉教授の高村義親氏は、「国は、那珂川の水で霞ヶ浦を浄化すると言っているが、那珂川の水は霞ヶ浦より窒素が多く、流れのない霞ヶ浦に入れたら水質は悪化する」と報告。また、高浜入漁業協同組合の渡辺幸司氏は、漁獲量が減り、漁師の高齢化が進んでいるなか、“まじめな漁師のエビせんべい”の商品開発などに取り組んでいることを紹介しました。NPO法人アサザ基金代表理事の飯島博氏は、「73年以来閉鎖されている逆水門の柔軟運用によって、霞ヶ浦をウナギの世界的産地にしよう」と提案しました。 霞ヶ浦導水事業については、これまで、那珂川流域ではすべての漁協が団結して事業中止を求める裁判を起こすなど、大きな運動になっていました。しかし、もう一方の霞ヶ浦側では、浄化への期待などから反対運動が広がっていませんでした。霞ヶ浦流域での運動の飛躍が始まる確かな手応えを感じることができたシンポジウムでした。 (茨城農民連 村田深)
(新聞「農民」2009.5.18付)
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[2009年5月]
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