命脅かす米軍基地いらない
神奈川県内3基地の実態視察
農林水産九条の会
農林水産九条の会は4月16日、神奈川県内の米軍基地視察を行い、16人が参加しました。参加者は、3カ所の米軍基地の実態を見て回り、「日本に米軍基地はいらない。憲法9条を守って、平和な日本を」と、強い決意を固めあいました。
マイクロバスで移動中に、県内の米軍基地の実態と歴史、県民のたたかいについて、詳しく解説したのは、神奈川県平和委員会の菅谷幹夫事務局長。「戦前、日本陸軍が相模原『軍都』計画のもと、『銃とサーベル』で農民を脅して、農地を強奪しました。そこは現在、在日米陸軍の物資補給、修理などの兵たん業務を担当している相模総合補給廠(しょう)です」と述べました。
JR相模原駅から見下ろした補給廠には、テニスコート、プール、バーベキュー場などのレジャー施設のほか、保育園、消防署、教会などの施設も整っており、中は「日用品はすべてそろっている」(菅谷さん)という、米軍に至れり尽くせりの基地です。
現在でも基地内に有毒なPCB(ポリ塩化ビフェニール)を保管していることや、民家のすぐ隣で軍事演習を強行し、米兵がフェンス越しに市民に銃口を向ける事件が発生するなど、近隣住民に命の危険さえもたらしている基地の実態が明らかになりました。
続けて菅谷さんは、ベトナム戦争さなかの1972年に、ベトナムへの戦車の輸送を、市民が100日間座り込んでストップさせた歴史的な闘争を紹介しました。
相模原と座間両市にまたがり、在日米陸軍司令部が置かれるキャンプ座間で、まず目に入ってきたのは、世界の米軍関連ゴルフ施設でも有数のゴルフ場です。ゴルフボールが飛び出し、民家を直撃したり、中学校校庭に落下したりなど、市民の安全が脅かされ、住民が抗議の声を上げている様子が語られました。
さらに基地内の学校は、日本の学校では実現していない25人学級で冷暖房完備。教職員の人件費も日本負担という“思いやり”ぶりに参加者はあきれるばかりでした。
参加者は次に、大和、綾瀬、海老名3市に接する厚木海軍飛行場を見学。自衛隊機が離着陸訓練(タッチ・アンド・ゴー)を繰り返し、耳をつんざくような爆音の下で、神奈川県平和委員会の蒲谷俊郎基地対策委員長が、騒音の実態や米軍のねらいを解説しました。
参加者は最後に、相模原市内の公民館で、まとめの意見交換を行い、「今の農地法改悪は大企業による農地支配を許すもの。軍隊によって農地が接収された歴史と重なる」「住宅密集地に隣接し、真上を戦闘機がわが物顔で通過する実態に驚いた」「神奈川だけでなく全国の問題。『基地なくせ』の声を強めよう」などの感想が出されました。
さらに国会で審議中の海賊派兵法、グアム新基地移転協定に反対し、農地法改悪案を廃案にする決意を固めました。
(新聞「農民」2009.5.4付)
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